日銀「6月短観」よりも中国人「観光客消費短観」の経済効果
日銀短観、改善の要因は
日本銀行は7月1日、6月の全国企業短期経済観測調査(6月短観)で「大企業・製造業」において業況判断指数(DI)がプラス1となり、前回行われた3月の調査から15ポイント改善となったと発表しました。
この業況判断指数(DI)とは、Diffusion Index(ディフュージョン インデックス)の頭文字を取ったもので「日銀短観」とも呼ばれています。日本銀行の発表とありますが、実際には11,411社(日本銀行発表)の企業に対してアンケートを行ない、回答する企業の担当者が自社の売上や生産、設備投資、仕入れ価格、資金繰りなど実績値から判断し、景気、業績が「良い」のか「悪い」のか判断するもので、この指数によって確実な経済予測ができるというものではありません。
ただし、業種別や規模別、サンプル数の多さ、高い回収率から調査範囲も広いため、他の経済統計などと組み合わせて、今後の動向や予測の分析に利用されているのも事実です。
製造業においては16年ぶりに16種の業種で改善されたとあり、新興国への輸出の増加、国の金融政策による生産回復が改善の要因となっています。「スマートフォンなどの電気機械」、「エコカー導入による自動車産業」、「海外の設備投資回復による生産用機械」の大幅改善が目立っています。
え、早くも改正か
では、中小企業経営者はこの日本銀行の発表をどう思われるのでしょうか。「これから景気がよくなりそうだ」「大企業だけの数字、我々には関係ない」と、いろいろ思われるでしょう。
大企業がうるおえば中小企業へもその恩恵がやってきますが、それには時間がかかります。今はモラトリアム法(中小企業金融円滑法)を利用し、体力を蓄えてください。強引な改定貸金業法施行による問題も、施行後すぐに検証プロジェクトが動き出し、改正もあり得ると金融相も発言しています。今後も法の改正や規制の緩和が予想されます。今は「出」を押さえじっと体力温存のときです。
ビザ、規制緩和で消費に期待
7月1日は、中国人向けビザの発給条件が大幅に緩和し、対象を富裕層から中間層まで広げていくスタートの日でもあります。中国人向けビザの発給は平成21年7月に始まり、成長著しい中国人富裕層が高級ブランドや家電製品を100万円、200万円とまとめ買いするという報道もよく見られました。
7月1日からはその10倍の世帯が訪日されると報じられ、都内のデパートや大型家電販売店、観光地などでは通訳の中国人を用意して対応しようとしています。卸売・小売業や宿泊・飲食業、サービス業、娯楽業、そしてこれら業種に関わる中小企業にとっては「日銀6月短観」より「中国人消費短観」のほうがずっと身近に感じられるのではないでしょうか。
[2010.7.1]
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