2015年度の知財収入2.4兆円黒字で過去最高。生産ノウハウや商標の輸出が新たな力に

知財収支は2.4兆円の黒字で過去最高
日本企業が持つ「生産ノウハウ」や「商標」の輸出が活発化してきました。特許料などの収入、いわゆる「知的財産権」ビジネスが、企業の新たな収益として定着しそうです。
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平成27(2015)年度の国の経常収支で、特許使用料や金融、保険などからなるサービス収支はまだ赤字ですが、このうち「知財収支」は2.4兆円の黒字と過去最高。過去10年で5倍に伸びました。

技術を「貸し」、使用料を生む
総務省に「科学技術研究調査」という調査があります。平成27(2015)年の調査で技術貿易の動向をみると、最も収入が多かったのは、2.3兆円の自動車など、輸送用機械器具製造業でした。トヨタ自動車(トヨタ自動車(株):愛知県豊田市 豊田章男社長)やホンダ(本田技研工業(株):東京都港区 八郷隆弘社長)などが、現地の子会社から多額の知財収入を得ています。日本の本社が車体の設計図や生産技術を、現地工事がある海外子会社に「貸し」、特許や著作権などの使用料を生むのです。当然、北米からの受け取りが全体の54%と最も多くなりました。

巨額にならない医薬品は独自の収益構造が
医薬品分野もこれに続き、総額は4771億円。最多は、武田薬品工業(武田薬品工業(株):大阪府大阪市 クリストフ ウェバーCEO)の565億円でした。医薬品といえば、知財のかたまりのような印象ですが、巨額にならないのは、海外の製薬会社との共同開発や共同特許などが多いなどの収益構造があるためです。同社の抗がん剤「ベルケイド」の特許は、米子会社がジョンソン・エンド・ジョンソン(米国ニュージャージー州 アレックス・ゴルスキーCEO)に貸しています。


世界で売れるものは大きな力になる
この打開策に取り組むのが中堅の製薬会社で、日本で取得した特許を、海外に直接供与するモデルを作っています。小野薬品工業(小野薬品工業(株):大阪府大阪市 相良暁社長)のがん治療薬「オプジーボ」、塩野義製薬(塩野義製薬(株):大阪府大阪市 手代木功社長)の高コレステロール血症治療薬「クレストール」などが代表格です。

いずれにせよ、世界で売れる独創的な製品があれば、知財は大きな力になる。知財の重要性が増しています。


[2017.1.23]

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