“ねばねば”によるリスクの顕在化

石破首相が政権に居座り続ける一方で、経済も外交も打開策を欠き停滞しています。リーダーシップ不在の無策は中小企業の現場にしわ寄せを生み、経営環境を悪化させています。

過去の政権と比べても、石破政権の無策ぶりは際立っています。安倍政権の積極策や短命政権の刷新感すらなく、停滞だけが長引く現状です。

本記事では、経済・政治・外交の停滞が中小企業にどのような影響を及ぼすかを整理し、経営者が取るべき視点を提示します。

「経済は現状維持?変化なき政策のリスク」

石破首相の長期政権化による最大の懸念は、経済政策の停滞です。安倍政権の「アベノミクス」は是非はあれど、大胆な金融緩和や財政出動を打ち出し、経済に一定の方向性を与えました。中小企業も補助金や金融支援で恩恵を受けた面があります。

しかし石破政権は、新しい成長戦略や抜本的な改革を提示せず、物価高・人手不足・円安といった課題に「現状維持」で対応しているにすぎません。結果として経済のダイナミズムが失われ、資金繰りの逼迫や投資意欲の低下といったリスクが中小企業経営に直撃しています。

「長期政権の裏側に潜む“政治空白”」

長期政権には「安定感」があるとされますが、その裏では後継者不在や与党内の権力闘争が生じやすく、結果として政策決定の遅れを招きます。安倍政権の後に短命で終わった菅政権・岸田政権では逆に政策の継続性が損なわれましたが、石破政権の長期化は「動かない政治」を固定化するリスクを孕んでいます。

補助金制度や税制改正など、中小企業が経営計画を立てる上で欠かせない政策決定が遅れれば、資金繰りや設備投資に支障をきたし、事業継続性に不安を残すことになります。

「外交の停滞が企業の財布を直撃する」

外交の機能不全も中小企業には大きな影響を与えます。安倍政権は日米関係を基盤に多国間交渉をリードしましたが、石破政権では国内の求心力維持に偏り、外交のスピード感と柔軟性が失われつつあります。

円安の是正やエネルギーコストの安定化には国際交渉が不可欠です。もし外交が後手に回れば、輸入原材料の高騰、サプライチェーンの不安定化、輸出環境の悪化といった形で、中小企業の収益に直撃することは避けられません。

「支援策の空白が生む“三重苦”」

経済停滞・政治空白・外交遅れは、中小企業にとって「三重苦」となります。安倍政権下では補助金や生産性向上支援、菅政権下ではデジタル庁創設といった変化がありました。岸田政権では「新しい資本主義」による賃上げ促進が掲げられました。

しかし石破政権が長期化する今、新しい施策は見えず、支援策が打ち出されない「政策の空白期間」が続く懸念があります。最低賃金や社会保険料の負担だけが増す一方、価格転嫁や販路拡大支援は進まない。この不均衡は中小企業の体力をじわじわ奪っています。

「“停滞の安定”をどう乗り越えるか」

石破政権の“ねばねば”とした居座りは、安定を装いながらも刷新を妨げる「停滞の安定」に他なりません。中小企業にとって、これは最も厳しい環境です。

経営者に求められるのは、国の施策を待つ姿勢ではなく、自社で資金繰り強化、コスト管理、販路の多角化、人材確保に取り組む「自立型経営」です。 政治の安定・不安定に振り回されるのが日本の中小企業の宿命ですが、それを見越して備えるか否かが、今後の生き残りを分けます。粘り腰が美徳とされる首相の「ねばねば」とは異なり、経営者自身の主体的な「粘り強さ」こそ未来を切り開く力となるでしょう。

記事一覧


10年で企業倒産はどう変わったか――増える小規模企業の倒産

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 10 / 07

◆二十四節気◆令和8年(2026)10月8日「寒露(かんろ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 10 / 04

日銀はなぜ今、利上げするのか―物価を抑えて、成長まで抑えてよいのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 09 / 19

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月23日「秋分(しゅうぶん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 09 / 18

最低賃金1,177円時代へ――「賃上げできない会社」がこれから直面すること

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 09 / 08

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月7日「白露(はくろ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 09 / 01

人手不足国家・日本は外国人材で救われるのか?――2027年「育成就労制度」で変わる中小企業の採用

八木宏之の経済時事ウォッチ 未分類

2026 / 08 / 24

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月23日「処暑(しょしょ)」です。◆

季節のお便り 未分類

2026 / 08 / 18

日銀はなぜ利上げを急ぐのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 08 / 14

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月7日「立秋(りっしゅう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 08 / 03

骨太の方針2026を読み解く

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 08 / 02

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月23日「大暑(たいしょ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 07 / 21

日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(後編)

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 07 / 17

日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(前編)

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 07 / 06

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月7日「小暑(しょうしょ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 06 / 30

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月21日「夏至(げし)」です。◆

季節のお便り

2026 / 06 / 19

日銀はインフレの原因を見誤っているのではないか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 06 / 17

2026年上半期の日本経済を総点検

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 06 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月6日「芒種(ぼうしゅ)」です◆

季節のお便り

2026 / 06 / 03

「関税ショック」後の中小企業サバイバル戦略

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 29

2026年「骨太の方針」はなぜ重要なのか ― 中小企業経営者が知るべき“国家の方向性”と与党内のせめぎ合い

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 21

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月21日「小満(しょうまん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 05 / 19

大胆な投資促進税制とは何か

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 07

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月5日「立夏(りっか)」です。◆

季節のお便り

2026 / 05 / 02

日銀「金融政策決定会合」から読み解く日本経済

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 04 / 29

◆二十四節気◆令和8年(2026)4月20日「穀雨(こくう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 04 / 17

値上げは悪いこと?物価高時代に企業が取るべき経営戦略

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 04 / 17

◆二十四節気◆令和8年(2026)4月5日「清明(せいめい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 04 / 02

日本企業に起きている「静かな淘汰」

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 31

金融政策決定会合(3月)-中小企業経営者が知っておくべき金融環境の変化-

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 23

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月20日「春分(しゅんぶん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 03 / 16

エネルギー価格上昇に中小企業はどう対応するか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 12

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月5日「啓蟄(けいちつ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 03 / 02

第二次高市内閣で日本の産業政策はどう変わるのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 26

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月19日「雨水(うすい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 16

【衆議院選挙後】新政権と金利上昇をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月4日「立春(りっしゅん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 01

消費税減税は実現するのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 31

日銀金融政策の転換期をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 25

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月20日「大寒(だいかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 17

2026年度予算――規模・評価軸・企業経営への示唆

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 03

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月5日「小寒(しょうかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 02

日銀・金融政策決定会合(12月) 利上げの背景と今後の政策運営

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 21

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月22日「冬至(とうじ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 17

取引適正化推進法(旧:下請法)とは?

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 10

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月7日「大雪(たいせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 03

外国人のビザ要件強化の背景とその影響

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 30

高市政権×21兆円補正予算:中小企業に訪れる“追い風”

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 24

◆二十四節気◆令和7年(2025)11月22日「小雪(しょうせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 11 / 16

ガソリン税ついに廃止!軽油も2026年にゼロへ

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 10