融資担保ルール明確新法要綱案

融資の担保に関する新法の要綱案まとまる

法制審議会(法相の諮問機関)は28日、融資の担保に関する新法の要綱案をまとめました。これまで民法で明記されていなかった在庫や生産設備、売掛金について担保にできることを定めたもので、現在開催中の通常国会に法案を提出する見通しとなっています。

従来の不動産や経営者保証に偏重する慣行を改め、スタートアップなど資産を持たない企業の資金調達の機会を広げる狙いがあります。

ルールを明文化

民法では在庫や設備といった「動産」や売掛金などの債権は企業融資に使える担保として位置付けがありません。そのため実務の現場ではこれまで判例や慣習によって「譲渡担保」と呼ばれる制度が形成されいました。今回、こうしたルールを明文化し、曖昧だった点が整備されます。

この要綱案は2月に予定する法制審議会で法相に答申する運びとなっています。

不動産担保、保証に依存

金融機関による融資の担保は不動産や個人保証に偏っています。日銀によると23年度の貸出金の担保内訳は無担保が51%を占め、28%が保証、16%が不動産です。 動産・債権を含む「その他担保」は3%にとどまっています。

中小企業やスタートアップには不動産が少ない会社がほとんどです。そのため現在の融資慣行では資金調達の機会が限られ、事業拡大の妨げになっているとの指摘が多くありました。

こうした状況の改善につなげるため、2021年4月から法制化の議論が進められていました。

整備、改善された点

従来は曖昧だった点が整備、改善されています。

・担保権を持つ人が誰なのか第三者がわかるように登記制度を変更する。

これまで担保権者が変わった場合や、複数の担保権者がいると把握が困難でしたが、これにより金融機関が融資に二の足を踏むのを防ぐ狙いがあります。

・融資を受けた企業の倒産時に労働者の賃金債権などの原資が確保されるようにする。

担保権が広く設定されていると他の債権者への弁済原資が枯渇する恐れがあったため、担保権者が在庫などに担保を実行した際、一定額を破産財団に支払うことを定めます。

このように政府は企業が融資を受けやすい環境整備を進めています。24年6月には技術力や成長性といった「企業価値」を担保に設定して融資する「企業価値担保権」を定めた事業性融資推進法が成立しました。

今後2年程度で施行される見通しとなっていますので、経営者の皆さまも、新たな資金調達の手段としてその動向に注目していきましょう。

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