経産省:医療と企業の連携公募/医療機産業:中小工場・技術者にチャンス

新成長戦略:医療分野の参入促す
経済産業省は12月16日、「平成22年度:課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業に係る企画競争募集要領」を公表しました。政府が今年6月に公表した新成長戦略に掲げる医療分野への参入し、転業を考える企業、病院関係者の連携支援をします。中小企業は、どんなに高い技術でクオリティの高い機器を製造しても、活用するニーズがなければ成り立ちません。実際に利用する医療関係者の求めているニーズを知るには、医療現場で医師や看護士、介護士などから、ニーズを聞き出すことがモノづくりの源となります。経済産業省は医療機関、企業を結びつけ、医療機器産業に日本の繊細な技術を生かした国産化へ育てようとしているのです。
公募期間は、平成22年12月16日~平成23年1月17日までになります。

毎年5~8%成長続ける驚異的な産業

世界の医療機器産業は毎年5~8%の成長率を維持しており、今後も拡大すると予測されています。日本医療機器産業連合会(会長:荻野和郎)によると日本の医療機器市場は平成20年に出荷ベースで約2兆2,000億円と世界のわずか約10%に過ぎません。そのため海外の医療機器が輸入され使用されているのが医療現場の実情で、本来もっと高いクオリティの国産医療機器があれば医療現場でも使いやすいでしょう。

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新しい参入のための支援策:経産省
先進技術大国である日本では、医療機器産業への参入には弱腰になります。中小企業の独創的でクオリティの高い技術が日本の医療機器に生かされないのは、参入規制された産業であることや、人命に関わることで製造責任が重くてリスクが高いこと、医療現場における課題やニーズが、限られた人や企業でないと知りえないことなどが上げられます。
このまま放置していると輸入された医療機器が、国内の医療機関に増えるばかりです。繊細な日本の技術を生かせず、医療機器企画・製造の国内市場はますます縮小することになってしまいます。経済産業省は参入をためらう企業のリスクを取り除き、この医療産業に中小の製造業が参入できるように、新しい産業として支援策を打ち出しているのです。

規制緩和の動き:厚労省
厚生労働省は、すでにドラッグ・ラグやデバイス・ラグなど認可までの時間短縮など規制緩和策や、アジア諸国の患者までも取り入れた医療産業の構想も打ち出されています。医療機器産業は日本の成長を支えるリーディング産業として、医療、介護、健康関連サービスを日本の成長牽引産業として明確に位置づけています。
今後も経済産業省やJETRO(日本貿易振興機構)、厚生労働省、関連団体など経済支援、参入障壁規制緩和と支援が公表されるでしょう。大きなチャンスですから、タイミングを外さないようにしましょう。

iPadが医療機器になった
兵庫県三木市にある三木市民病院は、医療機器の安全性を効率的に確保するために米アップル社のiPadを活用した機器管理システムを今年11月から本格的に導入したと報道されました。同病院では、これまで生命維持装置などの医療機器の操作、保守点検など専門職である臨床工学技士を増やしてマンパワーで安全確保を行ってきました。点検内容や不具合などを端末に手作業で打ち込み、人も手間もかかっていたようです。

変化の電子化/書籍、ゲーム、
iPadの導入によって人工呼吸器や輸液ポンプ、モニターなど約1,000台の医療機器をバーコードで管理。iPadのカメラ機能でバーコードを読み込み時期や説明書、整備内容などが臨床工学室で一元管理できるようになったと言います。電子ブックやゲーム、ネットを見る小型端末機が医療機器として活用されるのです。便利なものから必要なものが求められる時代となり、医療従事者のニーズを聞き出し必要な医療機器をつくり出せば需要は増え、患者の健康回復にも貢献できるのです。

中小企業が国内市場で生き残るチャンス
政府は平成32年までに、医療、介護、健康関連サービスの需要に見合った産業の育成と雇用の創出で、新規市場50兆円、新規雇用284万人との目標設定しています。いずれの分野にも医療機器が深く関わり数十兆円産業となることに間違いありません。現在国内の工場や、職人、技術者だけではニーズをカバーできまりません。世界レベルの高い技術力を持つ中小企業にとって今こそチャンスと考えるべき産業の一つでしょう。

観光医療立国目指す/羽田の24時間空港
少子高齢化や円高による製造業、新市場開拓に拠点を成長著しいアジア新興国へ移す企業が連日報道される中、国内市場の医療、介護、健康関連サービスの需要は高まりが期待できます。日本の医療技術は世界でもトップレベルにあります。羽田空港の国際化は24時間体制になってアジア新興国の富裕層を中心に、海外からも治療や、診断に訪れることもあるでしょう。長引く不況で収益が見込めなくなった中小企業は、常に新しい情報を掴み、これからの動向を見越せる産業に参入や転業を考えましょう。医療機器産業に参入する経営計画を立て将来に向けて行動する時です。

●経済産業省:平成22年度「課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業」実施に係る事業管理支援法人の委託先の公募について

[2010.12.18]

●関連記事:オフィシャルサイト「医療・介護産業、新規市場50兆円・新規雇用284万人へ」

●関連記事:「医療機器:40兆円産業、先進医療を成長産業へ!「医療観光」増加期待」

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