経産省攻めの政策:中小企業海外展開支援会議、進出企業の7割が黒字!
倒産減少、リスケ中の今、変革
平成21年、リーマンショック後の不景気対策として政府は、中小企業に対してエコポイントなどの経済支援や、雇用助成金、モラトリアム(中小企業金融円滑化)法などの金融支援を実施してきました。帝国データバンクによると、平成22年の企業倒産件数は、前年比12.4%減の11,658件と5年ぶりに前年比が減少しました。これら中小企業への政府支援は、見事効果を示し、支援期間をも延長するなど一部では「中小企業の甘え」などの声もありました。
平成23年は変革元年!
今年は産業も農業も変革元年ともいわれ、今までの常識が常識でなくなることも出てくるでしょう。時代の流れに乗って「守り」から「攻める」中小企業へ変革する年です。中小企業は、資金も人材も大企業に比べ限りがあります。「攻め」によってリスクを侵すこともないわけではありません。しかし、需要と供給がマッチングしなければ、優れた営業力も、クオリティの高い技術力も事業を支える力とはなりません。政府の新成長戦略に掲げる産業への転業や、成長力ある海外新興国などの市場参入に、政府の新たな攻めの支援にのって進むときです。
経産省:4月海外進出支援、「中小企業海外展開支援会議」
海江田経済産業相は、2月2日、「中小企業海外展開支援会議」で4月までに、具体的な施策をまとめると報道されました。情報収集やマーケティング、環境の整備などの課題に対応しながら技術流出防止に関するマニュアル制作やネット通販サイトなどの具体策を盛り込むとしています。中小企業の海外事業拡大は、昨年6月に閣議決定した「中小企業の海外展開支援パッケージの創設」と新成長戦略に挙げられています。中小企業にとって海外。特に新興国の中国やインドなどは未知の世界でしょう。政府の具体的な支援が待たれます。
日本政策金融公庫では、4月から海外事業向けの設備資金や、長期運転資金などの融資を拡充。中国・上海に駐在員事務所を設置し国内外の情報を収集、提供すると報じています。同公庫では現在も海外事業向けの融資や情報提供を行なっていますが、より幅広く利用しやすい金融商品と、最新の市場情報の提供をお願いしたいところです。
通関、関税、税務の不安を解消
商工組合中央金庫(商工中金)は2月1日、JETRO(日本貿易振興機構)と業務提携し、中小企業の海外での販路拡大支援を強化すると報じました。商工中金と取引のある中小企業に対し、JETROが開催する海外見本市などの取り次ぎや、JETROの持つ海外の市場情報の提供、海外展開に関する相談窓口も利用できるといいます。
商工中金とJETROは、今回の提携で商工中金の国内外全103店舗に「中小企業海外展開サポートデスク」を設置。融資のほか貿易関連に詳しい担当者を配置。担当者が取引先から得た情報を本店国際部に連絡し、「貿易・投資支援センター」が状況に合わせ個別にサポートすると言います。相手国との事業のマッチングや通関手続き、関税、税務など不安な部分も解消してくれるでしょう。商工中金では、年間3,000件に対応するとしています。
JETROは、昨年11月末から中国・上海で17都府県28社の中小企業を集めた展示会「グッド・グッズ・ジャパン」を開催しています。海外での事業経験が乏しい中小企業にの生活雑貨や家具などアピールの場を提供。中国での新しい取引先との橋渡し役となり、顧客獲得を狙います。展示会は2月末まで約3ケ月行う予定で、これほど長期の展示会はJETROでも初めてといいます。
東北アジア:市場は拡大と回答61.2%、営業利益黒字68.6%
JETROが1月25日発表した「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査・中国、香港、台湾、韓国編(平成22年8月~9月、対象1,105社)」によると、現地市場での平成22年の営業利益は「黒字」と回答した企業が68.6%と前年度57.6%より11ポイント増加しました。今後1~2年の事業展開では「拡大する」が61.2%と前年度57.0%から4.2ポイント増加しました。経済成長力のある国の消費意欲の旺盛さがうかがえます。
企業は、事業によって利益を生み出し、従業員や国、取引先などへ還元。利益を残して黒字で決算を迎えることが基本です。不景気による消費意欲の低迷や国内市場の縮小で、売上が縮小したり、赤字が続けば事業を続ける意味もなくなります。何かが変わらなければ企業の財務も変わりません。政府の掲げる新成長戦略へ参入、転業するのも一つ。新しい市場獲得に海外へ進出するのも一つ。その整備も整い、4月からは新しい政府の政策支援も発表されます。攻めの中小企業へ変わるときです。
[2011.2.5]
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