大型倒産は沈静化!5月「中小企業」1,013件が倒産、小規模製造業破綻が顕著

建設業は震災復興需要で7ケ月連続前年同月減
帝国データバンクが6月8日に発表した「全国企業倒産集計5月報」によると、倒産件数は1,013件と3ケ月ぶりに前年同月を上回りました。前年同月比では5.1%増、前月比では14.6%増と2ケ月ぶりに1,000件を超えました。このうち製造業は141件と昨年1月以来、1年4ケ月ぶりに前年同月を上回り、小売や運輸業など内需型産業の倒産が目立ちます。
一方、建設業は震災復興需要の影響が大きく237件と倒産件数は多いものの、前年同月比は11.2%減。東北を中心に7ケ月連続前年を下回ります。5月の負債総額は2,540億8,900万円と同比7.8%増。大型倒産は2件にとどまり減少傾向で沈静化は続きます。
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倒産件数の9割弱が小規模企業
倒産した企業の資本金別では、個人経営と資本金1,000万円未満の企業が全体の55.5%に当る562件。中小企業基本法に基づいた中小企業・小規模企業では1,013件すべてが中小企業に該当。このうち小規模企業は87.9%にあたる890件でした。小規模企業の定義は、「製造業・その他」が従業員20人以下、「商業・サービス業」で5人以下となっています。消費低迷を受けて小売や運輸、サービス業を中心に中小・小規模企業の倒産が増加しています。

負債総額別倒産:5000万円未満53%
負債額別でも負債5,000万円未満の倒産は、全体の53.8%に当る545件。2ケ月ぶりに50%を上回りました。特に関東地区では、負債5,000万円未満の倒産件数は223件と前年同月比20.5%増と大幅に増加しています。
倒産理由:「不況型倒産」8割超えは36ケ月連続
倒産に至った主な原因では、販売や輸出の不振、売掛金回収難など「不況型倒産」が全体の83.7%の848件。構成比80%台の高水準は36ケ月連続しています。業績改善の兆しのあった「飲食料品小売」や「医薬品・日用雑貨品小売」、「各種商品小売」など生活必需品関連の業種が悪化。個人の消費低迷の回復の弱さが露呈されました。増税や電気料金値上げが毎日のように報道されれば消費意欲もわかなくなるでしょう。
毎日が増税の話題、為替は1$70円台、エコカー補助金早期に打ち切り、原材料価格高騰
製造業では、エコカー補助金などの政策で「輸送用機械・器具製造」が比較的好調であったものの、予算の消化で予定より2ケ月早く打切りとなりそうです。さらに、為替は再び1ドル70円台。原材料価格の高騰なども重なり依然国内の中小製造業が、もろにあおりを食らっています。
再び円高:デリバティブ解決策「金融ADR」の申請2.3倍に増加
為替デリバティブ(金融派生商品)取引などの円高関連倒産は7件。毎月1,000万円以上の損失を出していた冷食メーカが倒産するなど今後も発生することが予想されます。金融庁によると、金融取引に関する裁判外での紛争解決を行う金融ADR(Alternative Dispute Resolution)の平成23年度の申請件数は、1,981件。前年度から約2.3倍増加しています。
中小企業金融円滑化法によるリスケジュール(条件変更)は300万件を超え、金融機関は金融庁の指導により出口戦略シナリオが実行されています。大企業の倒産は沈静化が続くなか、財務基盤の脆弱な規模の小さな企業は、事業継続か否かの選択が迫られ、今後の企業倒産件数に大きく影響が出てきます。
[2012.6.13]

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