企業の設備投資計画「あり」が6割超え!政策目的の「省力化・合理化」への投資は3割満たず

中小企業向け設備投資へ税制拡充
国内経済は、深刻な人手不足と原材料の上昇などマイナス懸念が解消されない一方、自動車や半導体関連など輸出産業が堅調に推移しており、業績改善で大企業を中心に中小企業でも設備投資計画が打ち出されています。
安倍政権も平成30年度予算で中小企業の投資促進への税制を拡充するなど、生産性の向上に対する政策が進められ、まずは人手不足問題を解消する方針のようです。
帝国データバンクは5月16日、今年4月16日〜30日まで設備投資に関連する調査を行い、有効回答のあった9,924社の調査結果を発表しました。
農林水産業の設備投資計画、8割超え
調査によると、平成30年度(平成30年4月〜31年3月)に設備投資を行う予定のある企業は62.4%と6割を超え、業種別でみると「農林水産」が80.4%と8割を超え、「運輸・倉庫」が78.0%、「製造」が75.1%と続き、最も低かったのは「不動産」の46.5%で、「農林水産」とは33.9%も差がつき、設備投資は業界間で濃淡がはっきりと別れることが判明しました。
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「農林水産」では、屋根付き漁港での衛生管理型の倉庫への投資や、「製造」では生産工場・倉庫の増設への投資が聞かれ、公的な補助金などの支援策を活用したいとの意見も多く聞かれました。
生産性向上のための設備投資は3割弱
設備投資の内容を見ると、「設備の代替」が45.4%とトップで、「既存設備の維持・補修」が35.7%と併せて8割を超え、安倍政権が見込んだ生産性向上のための「省力化・合理化」への設備投資計画は28.2%と3割に満たない結果となりました。
設備の老朽化に伴い更新投資を目的とする割合が高くなっており、「省力化・合理化」よりも現状維持を優先した結果となりました。
企業の規模別では「大企業」が70.7%、「中小企業」は60.3%、「小規模事業者」は5割を切り49.0%に留まりました。
設備投資の「予定いなし」企業は3割
一方、設備投資を「予定していない」企業は 29.8%で、このうち「先行きが見通せない」が40.0%とトップ、「現状設備は適正水準」、「投資に見合う収益が確保できない」がともに2割を超えました。
企業の設備投資計画は6割を超えますが、設備の平均寿命の上昇が続く中、その内容は設備の代替や維持・補修と老朽化した設備の更新ニーズが中心となりました。
安倍政権の目指す「省力化・合理化」や「IT(Information Technology:情報技術)化」による人手不足解消や生産性向上は、具体的な業種別の成功事例などがなければ、なかなか踏み切れないでしょう。
[2018.5.21]

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