事故を起こしたのは特快だから、高速鉄道は問題なし!? 中国の希薄すぎる安全意識

「高速鉄道ではなく、特快である」
 

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時速320キロを誇り、その安全性が世界に知られた日本の「新幹線」。いわずと知れた日本の科学技術力、そして発展の象徴です。日本に対抗するつもりなのか、中国が、時速250キロ以上で走行する自国の「高速鉄道」について「いまだに死亡事故を起こしたことはない」と報道している、というニュースを目にしました。
 
中国の列車事故といえば、2011年の浙江省温州市で起きた追突脱線事故を、みなさんも覚えておられるでしょう。死者40人、負傷者約200人の大惨事です。後手に回る救出作業や、車両の十分な分析を伴わない事故処理は非難されてしかるべきものでした。ところが、中国は、この列車事故を「(250キロ以上出る)高速鉄道ではなく特別快速列車のもの」とし、「高速鉄道での死亡事故は一件もない」と強弁します。
 
 
発展や効率よりも、まず優先されるのは…
私が、危機感を抱くのは、中国当局の「安全」に対する意識です。発展や効率よりもまずもって安全が優先されるという自覚を、当局は持っているのでしょうか。
 
日本の新幹線は、1964年の開業以来、高度経済成長を牽引しました。2012年には、年間の利用者数が1億5000万人を超えています。それを支えたのが、技術開発から安全保守作業に至るまでの徹底した安全管理でした。東海道新幹線の場合、安全保守作業に投入される作業員は、一日平均1000人。始発前には全ルートを点検車が走行し、線路や架線を調べます。こうした姿勢は自動車をはじめとする多分野でも共有され、だからこそ日本の製品は、国際的な信用を得ることができました。
 
 
国家のとりつくろいは何を生むか
しかし、安全に「絶対」はありません。東京電力福島第一原発でも「想定外」の事故が起きました。先日、6月30日のことですが、東海道新幹線内で乗客が焼身自殺し、ほかの乗客が巻き添えになるという事態まで起きるのです。安全神話に安住しない不断の努力と情報公開、さらに、死者が出るような事故が起きた時には、その事故から徹底して学ぶことが必要です。当局が事故そのものを認めず、表面をとりつくろうようでは、国民や消費者の「安心」をけっして得られないでしょう。
[2015.7.9]

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