在留外国人は過去最多359万人

在留外国人は過去最多359万人も、技能実習生は減少

出入国在留管理庁が今月18日、2024年上半期の出入国者数などを公表しました。観光客などを含む新規入国者は1641万人で前年同期より61.6%増え、6月末時点の在留外国人は359万人と同5.2%増で過去最多を更新しました。

また、今年上半期に新たに入国した人の数は新型コロナウイルスの感染が拡大する前を上回る水準になっています。

(出入国在留管理庁より)

企業は「特定技能」に移行

在留者を在留資格別にみると、「永住者」が90万人と最も多く、次いで「技能実習」のおよそ43万人でした。人材確保のために2019年に新たに設置された「特定技能」は25万人を超え、昨年末から大きく増加しました。

長らくものづくりや1次産業の現場を支えてきた技能実習生の来日が減少し始めました。これは企業が人権侵害の批判がある技能実習を避け、制度が拡充した「特定技能」に移行しているためといえます。

「在留資格別在留者数」(出入国在留管理庁より)

また、在留カード及び特別永住者証明書上に表記された国籍・地域の数は、196(無国籍を除く。)でした。上位10か国・地域では、いずれも前年末に比べ増加しました。

「在留資格別在留者数」(出入国在留管理庁より)

技能実習生の来日減少 ベトナムの日本離れ影響

新規入国者数を在留資格別にみると、特定技能が2万9千人(前年同期比52.8%増)、留学9万2千人(33.7%増)、高度人材向けの「技術・人文知識・国際業務」2万5千人(20.1%増)といずれも大幅に伸びています。一方で、技能実習は7万7千人で12.7%減でした。入管庁は「特定技能制度の定着に伴い、技能実習での新規入国者が減少した」と分析しています。

新制度「育成就労」を見据えた動きに

今年6月に出入国管理法などの法改正が行われ、技能実習は27年に新制度「育成就労」※に代わることが決まりましが、現場では既にこれを待たずに特定技能に移行する動きが起きているといえます。 技能実習生の最大の送り出し国のベトナムでは希望者が減少しており、24年上半期に同国から新規入国した実習生は3万2千人と前年同期比2割減となりました。

※「育成就労」:技能実習制度が我が国での技能等の修得等を通じた人材育成により国際貢献を行うことを目的とする制度であるのに対し、育成就労制度は、我が国の人手不足分野における人材育成と人材確保を目的とする制度であり、制度の目的が異なります。

このような制度目的の違いを踏まえ、育成就労制度では、外国人を労働者としてより適切に権利保護するという観点から、技能実習制度では認められなかった外国人本人の意向による転籍を一定の条件の下で認めることに加え、受入れ対象分野を特定産業分野(生産性向上や国内人材確保を行ってもなお外国人の受入れが必要な分野)のうち就労を通じて技能を修得させることが相当なものに限り、原則3年間の就労を通じた人材育成によって特定技能1号の技能水準の人材を育成することを目指すものとしています。(出入国在留管理庁Q&Aより)

在留資格について

在留資格とは、外国人が日本に滞在して活動するために必要となる法的な資格です。出入国在留管理庁(入管)が上陸審査や許可の際に付与し、日本に入国した後に日本に滞在して活動できる根拠となります。外国人が日本に入国して在留するためには、出入国管理法上に定められた在留資格の内いずれか1つの資格を与えられていなければなりません。在留資格には、就労できない資格、就労可能な資格など、全部で29種類の資格があります。

在留資格には、「技術・人文知識・国際業務」「技能」「経営・管理」等の就労系資格、「日本人の配偶者等」「永住者」「定住者」等の身分系資格に大別されますが、「短期滞在」「留学」「家族滞在」等の就労できない資格もあります。

就労の可否及び制限 在留資格
(就労系資格)
定められた範囲の就労が可能な在留資格
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職(1号イ・1号ロ・1号ハ・2号)経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、技能、興行、技能実習(1号イ・1号ロ・2号イ・2号ロ・3号イ・3号ロ)、特定活動、介護(※1)、特定技能(1号・2号)(※2)
(身分系資格)
就労制限がない在留資格
(特別)永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
就労することができない在留資格文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
※1 H29.9創設 ※2 H31.4創設

認められていない活動に従事させることは違法 

外国人が就業する際は、活動内容が在留資格の範囲内である必要があります。在留資格で許可された時間数を超えて働くことや、認められていない活動に従事することは不可能です。 

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、「コンビニで接客をする」といった単純労働は認められていません。単純労働に従事させた場合は、資格外の活動に従事させたとして不法就労助長罪に問われ、企業も処罰の対象となる可能性がありますので要注意です。

在留外国人の在留資格は、在留カードなどを見ることで確認することができます。在留カードは入国管理局が発行する外国人の在留許可証です。在留期間も記載されており、在留カードの確認は雇用の際に重要になります。

人材不足対策のひとつとして

現在すでに人手不足といわれているサービス業や医療・福祉業においては非常に深刻な人手不足、その他製造業、卸売・小売業、運輸業など幅広い業界で人材不足の問題が顕在化しています。今後企業は労働人口が減少していく社会を前提に経営体制を整えなければ生き残れなくなるでしょう。

労働人口が減少していく時代を迎え、現場の最前線で人手不足の影響を受ける中小企業では労働力確保は待ったなしです。国も即戦力となる外国人を積極的に受け入れる制度づくりを進めている今、意欲的な外国人の活用は有効な手段の一つだと言えます。

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