1年間で3.5倍!外資による森林買収急増/深刻化する「我国引水」どう食い止める
1年間で3.5倍!外資による森林買収157ha
5月11日、国土交通省と農林水産省は、外国資本による森林買収の取りまとめ結果を公表しました。
平成23年1年間で、居住地が海外にある外国法人・個人に買収された国内の森林面積は157ha、件数は14件。平成22年の同調査では、外国資本による森林買収は全国で45haとの発表でした。1年間でおよそ3.5倍もの急増を見せています。
別荘?リゾート開発?箱根・嬬恋、沖縄も買収ターゲットに
その地域別内訳を見ると、買収面積が最も多いのが北海道で、ニセコ町など4市町村10件/約108ha。その他、群馬県嬬恋村で1件/44ha、神奈川県箱根町2件/0.9ha、沖縄県今帰仁村1件/5haと、4道県14ヶ所で買収が確認されました。群馬県、沖縄県で外資による買収が確認されたのは初めて。また、この調査以外に、都道府県から農水省へ報告のあった事例では、北海道で6件/9ha。また、国内の外資系企業による買収は2件/30haとのことです。
取得者は、シンガポール、中国(香港)、英領ヴァージン諸島、同ケイマン諸島など。利用目的は資産保有や別荘、住宅となっています。日本の森林面積は2500万ヘクタールといわれていますが、買収された土地の多くがリゾート地内にあるとのこと。「別荘の建設やリゾート開発を視野に入れている可能性もある」との見方もあります。
狙われる日本の水源
ただし、日本国内の森林をめぐっては、外資による水源地を買収するケースがここしばらく問題となっています。今回買収の対象となった土地も、川の上流に位置するなど、水源地にあたる箇所が多くあります。
例え水源地を購入したとしても、環境保護を目的とした水利権などの規制が存在するため、開発については制限されていますが、水源開発を行う可能性も否定できるものではないでしょう。
水資源保護のため、東京都は独自に山林を買収するなどの対策を独自に行っています。また、北海道など他の自治体でも、水源地の土地取引に事前の届け出を義務づける条例が成立しています。北海道ニセコ町では昨年5月、水質保全が必要な保護区域内での開発を規制する「水道水源保護条例」と、過剰な取水を制限する「地下水保全条例」を制定。2つの条例で規制を強化しました。
「我国引水」を許すな!包括的な法整備が急務
中国などでは人口増加により水不足が深刻となっており、この動きは更に加速する可能性があります。「政府対応が追いつく前に」と買収の動きが強まっている気配も。外国企業が日本企業の名義で土地を取得する「名義貸し」も表面化しており、問題となっています。
出張の道中、車窓から眺める田んぼは田植えも終わり、美しく水を湛えています。しかしその昔は、水争いのため、自分に都合よく水を引き入れる「我田引水」が見られたとか。不正を働いた者には「村八分」などの制裁が与えられましたが、現在、「我国引水」を食い止める包括的な法整備が急務とされています。
[2012.5.24]
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