中国の「嫌がらせ」レアアース禁輸措置、日米欧の共同提訴にWTO、中国へ全面敗訴の裁定

WTO:関税や割当量制限は「不当」

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WTO(World Trade Organization:世界貿易機構)紛争解決制度は3月26日、中国がレアアース(希土類)の輸出に課している関税や割当量制限を「不当」と認める裁定を下しました。
日本や米国,EU(European Union:欧州連合)は平成24年6月に中国へ共同提訴。日米欧勝訴の正当な裁定が下されましたが、中国は裁定を受入れるか、控訴するか中国商務部は裁定内容を評価中。フィナンシャル・タイムズ紙は「今回の判決で片付きそうにない」と評しています。
中国からの輸入頼りの日本、尖閣諸島問題で禁輸に
スマートフォンやHV(ハイブリッド)車に欠かせないレアアースは、中国が世界をほぼ独占状態の生産量で日本は中国からの輸入に約9割も依存。平成22年9月に尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を機に中国は,対日経済制裁ともとられる一方的なレアアースの禁輸措置をとりました。
レアアースの価格は跳ね上がり生産に大きな影響を受けた日米欧はWTO協定違反として提訴。自由貿易の拡大を図るWTO協定は、「資源や環境の保護が目的」でない限り輸出の数量制限や輸出税を課すことはできないルールとなっています。
レアメタル、ボーキサイト、マグネシウムでもすでに敗訴
WTOの通商紛争は、二審制で中国に控訴の道はあるものの、これまでの例から覆る可能性は低いとみられています。中国のレアメタル(希少金属)やボーキサイト、マグネシウムなど輸出規制を欧米が訴えたケースでも中国は敗訴となっています。
中国は平成13年にWTOに加盟し、経済活動ばかりか貿易ルールでも加盟国同様の責任を課せられています。一審段階では全面敗訴となりましたが,輸出資源における相次ぐ敗訴は、WTO加盟への意義も問われます。
禁輸措置後:世界で鉱床開発、日本は代替え技術で対抗
中国のレアアース禁輸措置を受け、米国やオーストラリア、太平洋の海底など鉱床開発が進められ生産は広がり価格も下落。さらに、日本では先進技術でレアアースに頼らない技術も開発するなど、中国は自らの行為で立場を弱めた結果となりました。
日本周辺の海底でも高濃度のレアアースを含んだ泥が存在することがわかっています。成長産業に必要な資源は、メタンハイドレード同様、商業ベースに乗せるにはまだ課題があるものの,今後の日本の資源・技術開発への取組みが求められます。
[2014.4.1]

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