社会保険料滞納事業者への新たな支援措置

 

 

あらたな仕組みがはじまる

前回ブログでは、「急増する年金機構による差し押さえ」と題して社会保険料の滞納事業者への差し押さえの現況についてお知らせしました。

社保倒産が増えるなか、当局の動きにも変化の動きが出てきましたのでお知らせしたいと思います。

 

日本経済新聞によると、中小企業庁と金融庁は6月にも、事業再生の見込みがあるものの、社会保険料や税金の滞納が再生の足かせになっている事業者の支援に乗り出すと報じられました。

具体的には、再生の見込みが高い事業者の情報を厚生労働省や国税庁と共有する仕組みをつくり、分割納付といった猶予措置の検討を促すというものです。

 
社保を払えず倒産する企業が増加.jpg

 

今後の中小企業向け資金繰り支援について

また経済産業省は、令和667日、財務省、金融庁と同時に今後の中小企業向け資金繰り支援について公表するとともに、関係省庁とともに、官民金融機関等に対しコロナ資金繰り支援策の転換を踏まえた事業者支援の徹底等を要請しました。

参照 経済産業省:今後の中小企業向け資金繰り支援について公表します

     財務省:コロナ資金繰り支援策の転換を踏まえた事業者支援の徹底等について

   金融庁:コロナ資金繰り支援策の転換を踏まえた事業者支援の徹底等について

 

 

この施策の中心となる考え方として、「コロナ禍の支援」から「コロナ前の水準」に戻すことが明記されています。つまり支援の軸足が、もはや緊急避難的な支援から、経営改善・再生支援に重点を置いた資金繰り支援へと大きく変更されたと言えます。

 

公租公課の確実な納付と事業再生の両立

ここでは「事業再生情報ネットワークを活用した支援(公租公課の確実な納付と事業再生の両立)」というスキームが公表されています。

先の日経新聞で報じられたあらたな仕組みとは、この「事業再生情報ネットワーク」のことと思われます。  

参照 事業再生情報ネットワークの運用開始(PDF形式:287KB

 

l  資金繰り支援はコロナ前の水準に戻していく一方で、関係省庁が連携して、再生支援を強化していくべく、本年 3月 の「再生支援の総合的対策」を踏まえて、事業再生情報ネットワークの運用を6月から開始。

l  再生可能性の高い中小企業の情報(例:再生支援の見込み、金融支援による財務改善見込み等)について、中小企
業活性化協議会や金融庁に設置する相談窓口より関係省庁を通じて、公租公課の徴収現場(年金事務所、税 務署等)や金融機関等に共有することで、公租公課の適正な納付計画の策定、関係機関による処理方針や支
援の判断・決定に資する仕組みを構築し、公租公課の確実な納付と事業再生の両立を目指す。

 

事業再生情報ネットワーク.png
(経済産業省 事業再生情報ネットワークの運用開始 より抜粋)
 

滞納事業者に求められること

事業再生情報ネットワークの運用が開始されたからと言って、必ずしも納付が猶予されるとは限りません。冒頭でご紹介したように当局の姿勢はあくまでコロナ禍の支援ではなく、コロナ後を向いています。コロナ前の正常な状態へ戻すための再生支援です。この視点をしっかりと理解して考えると、経営者の方に必要な今後の心構えは、

 

    • 納付に対する真摯な姿勢
    •    事業再生に向けた論理的な計画

 

といえるのではないでしょうか。

 

 

関連記事:

2024.01.25  「公租公課倒産」の動向

2024.05.31 急増する年金機構による差し押さえ

 

 

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