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企業の休廃業・解散が各種支援で抑制!業種によっては大幅に増加

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経済対策効果、休廃業・解散は前年から減少傾向
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帝国データバンクは昨年12月29日、「全国企業の休廃業・解散動向調査」を発表し、昨年1月〜11月までに企業の「休廃業・解散」が判明した企業は、5万1,754件と前年同期から5.2%減少しました。
ただ、前年同様に11月時点で5万件を超え、「倒産」件数の7倍超えの高水準で推移していますが、昨年は、国の相次ぐ経済政策もあり、総じて減少傾向にあり、年間では昨年の5万9,225件を下回る見込みです。

休廃業・解散と倒産の違いは?
「休廃業・解散」と「倒産」は、定義が異なり、「休廃業・解散」は単に事業を辞めることであり、「倒産」は債務の支払いができなくなり廃業せざるを得なくことになります。
企業が廃業した場合、精算手続きに入り、企業資産の売却や売掛金の回収などを行い現金化して、その資金で従業員の給与や退職金、税金、社会保険料を含め、残っている全ての債務を支払い、会社を閉じることになります。
一方、倒産の場合は、債務を完済できない状況であるため、通常の精算手続きでは処理できず、会社更生法や民事再生法などにより買収されるか、倒産手続きを行なって債権者に平等に配当を行う必要があります。

国の経済細作により企業の休廃業・解散、倒産も抑制
「休廃業・解散」を内訳で見ると、飲食店や宿泊業などのサービス業では、経営環境が極度に悪化したため、当初はこの業種に関して「休廃業・解散」や「倒産」が増加すると推測されていましたが、国の持続化給付金や「Go To キャンペーン」などや、無担保・無利子融資などの特例融資や、リスケジュール(条件変更)の柔軟な金融機関の対応などで中小企業の経営を下支えしました。
そのため、企業の景況感は以前、低調であるものの、事業を自主的に止める企業の「休廃業・解散」は「倒産」と同様に発生が大きく抑制れれています。

休廃業・解散、運輸・通信業のみが前年から増加
ただ、7業種中6業種が前年同期から「休廃業・解散」は減少したものの、運輸・通信業のみだけが613件と前年同期を唯一上回りました。
特に、年間を通してニーズが大きく後退した観光バス事業者は、前年同期を大きく上回り、運輸・通信業全体の件数を押し上げました。
昨年12月には、新型コロナウィルスの再拡大で「Go To キャンペーン」が一時停止となり、今年1月には首都圏1都3県で非常事態宣言が発令されるなど、昨年12月、今年3月の年度末に向け「休廃業・解散」件数の動向が懸念されます。


[2021.1.12]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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