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早期・希望退職は得か!?上場企業の早期・希望退職は前年の2倍に急増

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早期・希望退職はリーマン以来10年ぶりの増加
東京商工リサーチが10月30日発表した「上場企業の早期・希望退職」募集企業調査によると、令和元年通年の35件から今年10月まで72社に倍増したことがわかりました。
年間で早期・希望退職募集企業が70社を超えたのは、リーマン・ショックが起こった平成20年の85社以来、10年ぶりとなります。
募集人数でも、判明しただけで1万4,095人と増え、令和元年通年の1万1,351人を既に上回りました。
新型コロナウィルスの影響により収益が減少したアパレル関連企業に加え、外食・宿泊業など業種によって偏りが見られます。
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アパレル、繊維業が募集最多
早期・希望退職募集企業が判明した72社のうち、新型コロナウィルスの影響を要因に挙げた企業は29社と、全体の4割まで増加しており、業種別ではアパレル、繊維業と飲食業が各々6社と最多となっています。
アパレルや飲食業など、新型コロナウィルスによる外出自粛で深刻な業績不振に見舞われた企業が多く、また、自動車の販売不振による関連部品メーカーや市況の変動で電機機器や輸送用機器など新型コロナウィルスの影響が目立ちます。
大企業の早期・希望退職募集により、その下請けとなる中小企業小規模事業者への影響が懸念されます。

募集年齢、社歴に関係なく20代も対象
ここ数年、従業員の年齢や社歴の是正を目的に45〜50歳以上の早期・希望退職募集企業が目立っていましたが、今年は年齢、社歴に関係なく広く応募者を募る企業が目立っており、「働き方改革」の浸透や、「年功序列・終身雇用」の崩壊を裏付けていると考えられます。
一部上場企業では、新型コロナウィルスによる資金繰り悪化により一刻も早い人件費の削減を迫られる局面にあり、その対応のため、対象年齢を20代〜30代まで引き下げる大企業もあります。
雇用を取り巻く厳しさは、業界によっては切羽詰まった状況にあります。

国の助成金や税金猶予にも期限が・・
新型コロナウィルスによる企業収益の影響は、日本の高齢化や人口減少なども加わって市場規模が縮小しており、依然としてこの先の見通しは立っていません。
従業員を守るための雇用調整助成金や売上減少した企業への持続化給付金、税制猶予なども期限が定められており、仮に延長されても不透明な払拭時期は見通しが立たない状況です。
このような状況に、上場企業でも早期・希望退職募集は来年も高い水準で推移すると考えられます。


[2020.11.6]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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