「特定被災区域」の復興特区法案、審議ばかり被災地の現状省みず!復興スピード化が必要
農地規制大幅改正:住宅地転用
東日本大震災の被災地で規制緩和や税制優遇措置などを認める復興特区法案を10月28日閣議決定、国会へ提出しました。11月18日から衆院本会議で審議入りされましたが、ねじれ国会とはいえ、何事にもスピード感なく、1,000年に一度の災害へ復興する意気込みが全く伝わってきません。
復興特区は、誘致する新設企業の法人税を5年間ゼロにするほか、農地の住宅地などへの転用の特例措置、農地規制の大幅な緩和が柱となっています。限られた平坦な高台への集団移転などを後押しします。国のリーダーは、いい加減台本読みは止め、被災地へ向かって「何する」のか、訴えて欲しいところです。
農地から再生可能エネルギー施設への転用も許可
農地規制の緩和は、住宅移転のほか、太陽光や風力発電など再生可能エネルギー施設の立地規制を緩くして、被災地を原発に変わる自然エネルギー拠点にすることも目指しています。スマートシティに向け、東北被災地が世界のエコタウンのモデル地区となり、諸外国からの視察や観光客などで地域に賑わいを取り戻し、スマートシティ関連産業の輸出をも促したいところです。
法案は、規制緩和にもとずく各種許認可の手続きの簡素化など特例措置も盛り込まれ、地元主体での理想の復興計画が現実化してきました。復興特区は、「特定被災区域」などに指定された11道県の222市町村が対象地域となっています。
閣議や審議で何も決まらず8ケ月、基本法成立からも5ケ月経過
国会審議で法案の課題となるのは、条例で法律上の規制を撤廃できるように「法律の上書き」を認めることです。「法律の上書き」は、国会が唯一の立法機関とする憲法上の規定が存在するため、慎重な意見も多くあります。しかし、1,000年に一度の想定外の災害からの復興。思い切った改革で被災地のニーズ捉えた法案でなければ意味がありません。
被災地で悩み望む声は、被災した住宅や企業をなおせばいいのか、移転しなければならないのか国のはっきりした方針です。これが決まらぬまま震災から8ケ月が過ぎ、特区を盛り込んだ「東日本大震災復興基本法」が成立してからも11月20日ですでに5ケ月も経過。この間、被災者は放置されたままです。
被災者ゼロからの生活へ条例で法令対応
政府は、ねじれ国会や円高、TPP問題など抱える問題は許容範囲を超えて見えるものの、復興を第一に掲げました。しかし、未だ被災者が仮設住宅や避難先、家族と離れマイナスの生活を強いられている姿を報道で多く見られます。多くの望む声は「元の生活に」とプラスでなくゼロに戻ることです。
被災者や被災企業が復興に向け、ゼロのスタート地点に立てる方法を知るのは地元の自治体などであり、官邸でも国会での審議でもありません。「法律の上書き」はゼロにするための条例で法改正でないことはわかっています。被災地ニーズを汲み取り、一日も早い法案成立で復興事業がスタートできることを望みます。
[2011.11.22]
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