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雇用保険手続き急増!本業再開まで「街づくり会社」で雇用確保:復興構想会議「水産業復興特区」提案

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仕事求む!気仙沼市全人口の5.7%、4,200名が求職中
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東日本大震災の津波によって東北から関東の太平洋沿岸部では、建物や車、田畑など甚大な被害を受けました。震災から2ケ月が経ち、仮設住宅など建設の遅れもあり未だ12万人の被災者が不自由な避難生活をおくっています。建設立地や資材の確保、震災で仕事を失った被災者を含め、雇用創出、建設を急いでもらいたいものです。
太平洋沿岸沿いで漁業や水産加工、観光産業で有名な気仙沼市も、津波によって街が崩壊状態となり産業に大きく影響を与えました。気仙沼ハローワーク管内には雇用保険に加入する企業が1,600社あるなか、構成比21.9%にあたる350社が従業員の解雇に踏み切ったと報道がありました。厚生労働省では、従業員の雇用維持に、事業が継続できなくなった従業員に休業手当として国が一部助成する「雇用調整助成金」を企業へ支給しています。しかし実態は、解雇扱いにして従業員に雇用保険を手続き、申請してもらった方が従業員のためになるとの報道もありました。350社の解雇により5月10日現在、3,350名が雇用保険の申請手続きを行い、管内の求職者は計約4,200名に上ります。同市企画政策課統計係によると気仙沼の全人口は3月末時点で73,363名。実に5.7%が休職中という高い比率となりました。

宮城・雇用保険手続き・受給者1ケ月で17,643名、うち8割が沿岸地域
東北太平洋沿岸部には200以上の漁港があり、関連する水産加工業や小売、宿泊業など観光産業が中心となっています。企業は建物などの被害によって廃業に追い込まれたり、規模縮小や復旧までの長期休業など、求職者の数も今後増加すると見込まれます。政府は復興に向けた第1次補正予算案で20万人の雇用支援策を打ち出しています。道路・河川や仮設住宅の建設、農地、漁港などの復旧に15万人、さらに人手が足りない自治体に5万人の雇用確保を目指しています。大まかな数字から具体的な数字へ現場との擦り合わせが課題となり、そのスピードも求められます。
沿岸部の漁港などは、造船や魚介類の加工業・卸業、さらに小売業とすそ野が広く多くの雇用を創出することができます。漁業、水産業など政府や自治体などの支援を受け、新しい産業へと生まれ変わり、地域の活性化につなげていただきたいものです。宮城労働局によると3月16日から4月20日の約1ケ月に雇用保険を手続き、申請、受理されたのは17,643名で昨年4月の約3倍となり、その約8割を気仙沼市や東松島市、石巻市など沿岸部が占めました。

漁業・水産業、農業も復興特区で民間企業参入へ
復興構想会議の五百旗頭真議長は5月4日、村井宮城県知事らとともに現地調査のため気仙沼市、石巻市を視察。菅原気仙沼市町は、新しい水産業で日本経済を復興させるべく「"リアス新成長ベルト地帯"と呼べるような構想をつくってほしい」との要望を出しました。石巻市では鮮魚市場や水産加工用団地を訪問。石巻魚市場社長からは、「国の土地の借り上げや買い上げがないと復興は厳しい」を支援を求めました。復興構想会議の視察は5月2日の福島に続いて2回目で7日には岩手を訪れています。地元の意見主導で、政府や市町村、企業と何度も意見を交換し合い、新しい水産業に復興してもらいたいものです。
村井知事は5月10日、政府の復興構想会議で、「水産業復興特区」を提案。民間企業が運転資金などで参入しやすくするため、漁協に優先権が与えられている漁業権を民間企業にも得やすくするとしています。参入した企業は、漁協を通さず出荷できるほか、加工や販売まで手がけられます。一方で漁業者は企業に雇用され、収入は安定し、後継者不足の解消にも繋がるとしています。漁業ならずとも農業にも言える事でしょう。大型化、株式会社化で輸出を見据えた大型産業に発展して欲しいものですが、実現までにはまだ時間がかかりそうです。

早期被災者雇用創出に「街づくり会社」設立へ
復興構想会議委員の大西東京大学教授は、津波で生産する事のできなくなった被災者に、復興実現までの期間、雇用を提供する事が重要と話します。漁業者も農業者も製造業従業員も本業が再開されるまでの期間、地元の「街づくり会社」に勤め、自分たちが生産する施設などの復興事業を担う事で収入を得れば、生活を安定させる事が可能と具体策を提言。大西教授は、「街づくり会社」の社長は市町村長が兼務し、地元住民や求職者、そて自治体、国からの応援部隊が社員として雇用され、生産施設・設備復興事業を行うと言うもの。さらに、すぐに行えるがれきの撤去や処理、農漁業・製造業などの復興基盤の整備、インフラ整備など、復興事業を県や国から請負い、地元主導で仕事を請け負い、復興を成し遂げる事が必要だとします。
 
ありえる国営水産会社、世界恐慌時公共事業で雇用確保した経験
震災によって危機的な状態になった地元自治体や企業などは、国の支援のもと新しい街づくりに想定外の発想も必要になります。新しく設立する水産会社の国営化もあり得ない話ではありません。自分たち自ら雇用され、生産施設・設備など新しい街をつくりあげ事業を再開。住民自慢の街の観光や生産物、加工品を国内外へ出荷で地域の発展を遂げたいものです。

米国第32代大統領ルーズベルトは、世界恐慌を克服するためのニューディール政策で、世界に類を見ない公共事業で雇用を創出。労働者の得た収入が消費され、米国内の景気は徐々に回復に向かったものです。

[2011.5.13]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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