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米タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に、被災地、福島県南相馬市の桜井勝延市長

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 【福島】今は原発事故収束!【宮城】「災害対策税」を!【岩手】財源論の論議に難色【経産省】被災企業支援:無利子融資を新設

宮城「災害対策税」で国民全体で支援、岩手「財源論の論議に難色」
被災地復興への方針を決める東日本大震災復興構想会議が4月23日に行われ、津波、原発放射線漏れなどで大きな被害となった宮城、岩手、福島の各県知事が復興へのプレゼンテーションしました。宮城県は、復興の財源として災害対策税創設を提案し、国民全体で復興を支えるべきと提案。岩手県は増税には反対で、消費を低迷させない復興策を求め、財源論の論議に難色を示しました。一方、福島県は、復興へ進まなければならないものの、福島第一原発事故が今も進行中で、この収束が第一と考え、復興を目指す他2県とは違う立場をとったようです。政府は、6月をめどに復興構想会議の提言をまとめる予定ですが、復興へ向けての組織も「復興庁」や「東北復興院」、「復興広域機構」など相次いでおり、最初から足並みが乱れるなど復旧、復興は広範囲に渡るため遅れが懸念されます。

原発半径30km圏内、企業売上げ高5,500億円、2,200社の7割が地域密着型
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福島第1原発では、収束に向け東京電力や協力会社による作業が行われ、原発から半径30km圏内の住民には屋内避難に指定されたままとなっています。福島県は4月22日、県に寄せられた義援金の配分対象を半径30km圏内の住民と、圏外でも計画的避難区域に指定された飯館村や川俣町の一部地域の世帯も対象にすると発表しました。
半径30km圏内には企業も多く、東京商工リサーチの調査によると圏内に本社を置く企業は同社のデータベースに2,207社所在。売上合計は5,512億7,700万円に達し、大きな経済基盤となっています。業種別を見ると最も多いのは構成比38.2%の建設業で845社。次いで同23.1%のサービス業が510社、同14.9%の小売業が329社と続きます。上位3業種だけで1,684社、構成比は76.3%に達し、地域密着型企業が多い事から、事業の継続には地域の住民がいつ戻るかが重要になる一方、そうでなかった場合の打開策も考えなけれななりません。政府は6ケ月〜9ケ月後に、対象地域をどうするのか決めるというだけで、現状はただ避難、退避と繰り返すだけです。

被災者の「不自由」に、企業までも「我慢」しなければならないのか
原発から半径30km以内にある金属加工の企業は、立ち入り禁止区域となったため移転のため生産機械を取りに入る事もできず、事業主自らが雨合羽を着て、禁止区域内の工場へ機械を取りに入る報道がありました。事業主は、納品先が高い技術によって生産される金属部品を待っており、これ以上迷惑はかけられないと、トラックで数回に渡り機械を運び出し、知人に提供された倉庫で部品づくりの準備をしていました。「行政は何もしてくれない、自分がやる」と、事業主はコメントしています。
また、福祉・介護企業は、戻る事ができずに事業が停止。事業主は、従業員の雇用を守るため厚生労働省の雇用調整助成金を申請するものの、ハローワークでは、申請理由として地震なら受け付けるが原発では受け付けられないと報道がありました。国は会社に戻るなと言い、さらには従業員を守るための助成金も出さないという矛盾に誰も気づかないないのでしょう。地震による津波に、原発事故、余震、風評被害、電力供給問題と災害が連鎖し、国も自治体も手が回らない今こそ、被災者、被災企業のキメ細かな支援が必要でしょう。

原発被災地域:警戒、避難、避難準備地域に企業8,000社
経済産業省は4月22日、福島県と合同で同県の原発被災企業を対象とした無利子融資を新設すると発表しました。県内に移転して事業を再開するための資金を県と中小企業基盤整備機構が無利子、無担保で貸付を行います。貸付期間は、最大で20年とし、融資額など詳細については今後協議して詰め、5月中に開かれる県議会を経てから融資を開始するとしています。
同省では、「警戒区域」、「計画的避難区域」、「緊急時避難準備区域」内に事業所をもつ中小企業を対象としており、この3地区内に個人事業主も含めると約8,000社あると見込んでいます。被災企業は、甚大な被害から未だ手つかずであったり、取引先、仕入れ先が被災したりと資金繰りに追いつめられている企業も多いと推測されます。少しでも早く手元資金が確保できるよう、条件緩和や手続きの簡素化などスピードをもって決めてもらいたいものです。

SOS from Mayor of Minami Soma City
米タイム誌に毎年掲載される「世界で最も影響力のある100人」に、被災地、福島県南相馬市の桜井勝延市長が選ばれました。市のリーダーが、支援から取り残され、誰が何を必要としているのか動画サイト「YouTube」にビデオを投稿。動かない国を飛び越え、英語のテロップを入れ世界に向けて訴えました。本来このような事をしなくても、必要なときに必要なだけの物資や資金が円滑に流れるしくみがあれば不満の声も上がらなかった事でしょう。何もかもが想定外でまとめられ、国民の「我慢」があらためて露呈されました。企業も危機的状況になったときには、危機を乗り越えるべく強い意志で訴えることも必要です。小さな企業でも技術は世界一の企業が日本に多くあります。何が必要なのかを企業の経営者は声を上げ、ボランティア、自治体や国を動かし、日本産業の早期復興、事業の活況をいち早く取り戻したいものです。

[2011.4.26]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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