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被災中小支援!高度化貸付:負担の整理は放棄も!信用保証の申込み、開設以来最高額

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先が見えない不安:中小機構、自治体が解消へ
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東日本大震災を受け、経済産業省は新たな中小企業支援策を公表しました。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では、都道府県と共同で複数の中小企業からなる大型店舗や物流センター、工場団地などへ高度化貸付と呼ばれる融資を行っています。中小企業庁は4月5日、震災によって高度化貸付が行われた施設や設備が被災し、事業の継続が困難となったことから、都道府県、中小機構に対し高度化貸付の負担の整理を放棄を含め、迅速に進めるよう要請しました。また、震災によって深刻な被害に遭った中小企業へも中小企業金融円滑化法リスケジュールなど迅速に行うよう要請しました。同庁では、被災した企業が再出発できるよう環境を整えるとしています。

被災地の貸付先に職員派遣:負担軽減も視野
中小機構は、被災地域の高度化貸付先へ職員を派遣し、被害の状況と今後の事業の継続性などを調査。貸付先ごとに自治体と協議を行い、今後の対応を4月中に決めると言います。被災地域には、自動車や電気・電子部品工場が多く、数多い従業員の需要に、大型店舗や共同住宅が存在している地域もあります。政府支援のもと、被災した中小企業への負担軽減は、次への事業創設意欲の励ましともなるでしょう。

日銀短観:景気後退意識広がる、内陸部にも波及
日銀が4月4日に発表した「3月企業短期経済観測調査(短観)」によると、震災発生後に回答が得られた企業の先行き3ケ月を示すDI(業況判断指数)が悪化し、震災による企業の景気後退意識が広がっている事を示しました。
東北財務局は3月31日、被災企業に向けた金融支援の緊急対策会議を盛岡財務事務所で開き、出席した自治体や金融機関、経済団体トップ約40名から報告を受けたと報道がありました。「風評被害で内陸の宿泊施設、飲食業が相当厳しい」、「畜産業も破滅状態」など、二次被害も多く出ている事が認識されました。財務局では、リスケジュールやつなぎ資金への対応、必要最小限の書類で極力融資に応じるよう要請しています。
 
3月の100%緊急保証:承諾額1兆5,000億円超え
信用保証協会でも、3月31日に終了した国の100%保証融資、「景気対応緊急保証」を「セーフティネット(5号)」として、9月30日まで、6ケ月延長し金融支援を行っています。同協会では、平成23年3月の保証承諾額が1兆5,000億円を超え、前年同月から3割増となり、融資開始当初以来、最高額となったとなりました。
金融庁では、中小企業金融円滑化法が3月31日に国会で可決・成立し、平成24年3月31日までリスケジュールなど1年延長を公表しました。

金融庁:金融機関へも支援/金融検査マニュアル改定
金融庁は3月31日、企業への貸し渋りを防ぐために金融機関向けの「金融検査マニュアル」を改定しました。金融機関では、貸出先企業の返済能力に応じて「正常先」や「要注意先」、「破綻懸念先」、「破綻先」など区分分けしています。この区分によって貸倒引当金を積んでおり、金融機関は、貸出企業が万が一のときの備えをしています。今回の改定では、被災したり計画停電で、融資先が財務悪化と判断できる場合は、区分を現状のまま据え置くとして金融機関の引当金などの負担を軽減しました。
被災した金融機関では、住宅ローンや企業への貸出の返済がなければ経営は厳しくなります。金融機関の自己資本比率が下がれば、企業へ融資もできなくなる状況に金融庁では、公的資金を注入できる金融機能強化法を活用し、金融機関を支援するようです。同法の注入枠は12兆円と巨額で、中小企業金融円滑化法同様に、平成24年3月までの時限立法となっています。政府の金融支援によって金融システムの安定から被災産業の復旧、復興を急ぎたいものです。

企業をもとに戻すだけでは改善はない
震災前、企業のほとんどは年度末に向け、資金繰り改善や、リスケジュール・信用保証などの申請に対策を施していたはずです。リスケジュールは昨年末時点で130万件を超える申込みに、1年延長されようとしていました。また保証協会でも景気対応信用保証が業種は絞られたものの延長がほぼ決まっていました。しかし、震災によって大きく状況が変わってきました。
被災者はもとの生活に戻りたいと要望し、黒字決算を迎える企業も同様でしょう。しかし、国内の消費低迷、市場縮小で苦戦。悪化する資金繰りにリスケジュールや、融資の申請を行う予定だった企業にとっては、もとに戻るだけでは済みません。国内では、需要のある産業への進出やアジアなどの新興国へ進出したり、生産品を輸出へ繋ぐという変革がなければ苦しい状況は変わりません。そのための政府支援も整備されてきました。

企業倒産減少の不気味さ
帝国データバンクによると、今年2月の倒産件数は884件と減少。2月としては平成19年以来4年ぶりの800件台となり、リスケジュール後の倒産も15件判明しています。
デフレ、景気低迷と言われる中、中小企業は政府支援などによって金融機関への負担が軽減され、つなぎの融資によって倒産件数は減少しているのです。この間に復興後の事業計画をしっかり立て、同業種、異業種とのM&A(企業の合併・買収)も視野に入れましょう。そして強い経営体制を整え、雇用を確保する事
によって地域の活性、地場産業の発展を遂げたいものです。

[2011.3.7]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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