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来年度92.4兆円予算成立/東北交通機関復旧:がれきは国が費用負担でも人手不足

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来年度92兆4,000億円の予算成立、復興補正予算も成立東審議
日本大震災によって、自治体や産業団体、経済界、企業、そして被災地で捜索活動を行う自衛隊や警察、消防、ボランティアなどが一体となって被災者、被災企業の復旧、復興へ向けて一つとなっています。政府やしがらみが解けない政争に明け暮れる与野党は、3月29日、来年度92兆4,000億円の予算を成立。復旧・復興に向けた約2兆円の1次補正予算に着手し4月に国会に提出します。「安心して暮らせる生活」のために、戦後最大規模の東日本大災害に、政官民が同じ目標に向かわなければならない時です。

国難を乗り切るには強いリーダーシップが必要
平成23年は、歴史に残る年と言っても大げさでないほど「開国」というスローガンで改革がさけばれました。TPP交渉、近隣諸国とのEPAの締結、国内農業の改革、衰退産業の転業支援が叫ばれましたが、3月11日の東日本大震災や大津波による被害、福島原発事故などと、トラブルによる変革の年となろうとしています。緊急事態なのに、政治家は、一致団結して災害支援、原発事故問題に取り組めないのか、とても国の将来を考えているようには思えません。被災地では被災者同志の連帯感が生まれ、立ち直らなければ・・・・といった前向きな声が映し出されます。歴史に残る国難に与野党一体とった方針で復興を急ぐ政策が望まれます。

復旧へ加速!陸路、空港、港湾、続々再開
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震災から3週間を迎えようとした年度末。東北地方の交通インフラの復旧が加速し、滞っていたモノの流れが改善されようとしています。東北自動車道は、福島原発付近の一部規制区間を除き一般車両も通れるようになり、東北新幹線も4月中をめどに復旧と報道があります。津波の被害を受けた仙台空港は、物資運搬用のみとなるものの、12空港が利用可能となりました。花巻や山形、福島空港では、24時間体制で自衛隊や米軍による物資の運搬が行われているようです。港湾では、石巻港、大船渡港、青森港など3月24日までに15港が開港しました。10万人規模を動員した自衛隊や海上保安庁など、地域の復興にかける強い意志が復旧を加速させています。
 
現場の声「どこから手をつければ」とレポート
報道を見ると、東北地方太平洋沿岸、大津波のあった被災地では、「どこから手をつければ」というレポーターの声が聞かれます。あたり一面がれきの山、ビルは下層に船や自動車が突っ込んだままです。手を付けられない唖然とした光景が続きます。幹線道路の復旧で、さらに街への道路、がれきの移動、分別作業が急がれます。誰かがやらなければ終わりは来ないのです。途方に暮れる光景ばかりが報道されますが、いつかは元に戻ってもらいたいものです。

環境省:がれきの山「災害廃棄物」自治体負担を軽減
環境省は3月29日、被災地で復旧活動に障害となるがれきの山を国が全額負担して撤去すると決め、補正予算案に盛り込みました。地震などの災害で発生したがれきなどは、「災害廃棄物」として通常、国が50%負担することとなっていますが、阪神大震災では、実質97.5%を国が負担しましたが、東日本大震災では大津波でがれきが大量に発生した事や、小規模な自治体が被災したことなどを受け、自治体の負担をなくし、支援するとしています。

撤去処理は23年分の量!宮城県内がれきの山
東日本大震災によるがれきの量は、宮城県が28日発表しただけでも1,500~1,800万トンで、一般廃棄物にするとなんと23年分という途方もない量だと言います。宮城県では、石巻港に仮置き場を設置、その後、2次仮置き場に移動し分別して3年でがれきを処理すると見込んでいるようです。また、宮城県内だけでも被災した自動車は、約146,000台で被害が大きかった石巻地域が4割を占めます。被害にあった車両の保管場所の確保や移動、所有者の承認など、まったく人手が足りません。

被災前就業者84万人、震災後の失業率者数未定:被災企業
仮設住宅建設地の確保・完成までのスピード。地方自治体や国からの公営住宅の申し出による人員調整。被災者の雇用など、まだまだ災害支援に課題が多く見られます。政府は3月28日、内閣府で「被災者等就労支援・雇用創出推進会議」を開き、被災地におけるがれきの撤去や、仮設住宅建設などの雇用に、被災者を優先する支援策などを4月上旬にまとめるとしています。津波被害が大きかった岩手、宮城、福島各県の沿岸部では、漁業や、水産加工業、その関連産業が大きな被害を受け、操業再開を諦めるしかないというほどの災害を受けた地域、企業も多くあります。被災地域の就業者数は約84万人と言われており、震災による失業者数は、まだ把握されていません。今後、時間とともに増えるでしょう。被災者、被災企業は、これからの生活、学校、仕事、取引先と精神的にも追いつめられています。凄惨な現場を目のあたりにして一日も早い政策的な対応策を打ち出して欲しいところです。

データよりも現場の実態把握が復興の鍵に
被災地、被災者、被災企業のための支援策や予算編成、対応戦略などは、官邸で行われ公表されてきました。予算などの数字、データよりも現場が今、どうなっているのか把握するべきでしょう。自治体はどう機能しているのか被災地を調査して、どういう対策を打ち出すと効果的かを検討すべきでしょう。
 
被災地域、現場を見てこそ出る判断もある
地震、大津波の起きた翌日3月12日早朝。菅首相は上空から東北沿岸部の被災地を視察。事の大きさにすぐに自衛隊へ増員を要請しました。増員が遅れたら被害がさらに広がっていたかもしれません。また、大連立を否定した自民党・谷垣総裁は3月26日、南相馬市から避難してきた山形県の避難所を視察。記者団に、「与野党が腹を割って相談していくことが必要だ」と述べました。現場でしかわからないことが感じられたのでしょう。来年度予算も成立、被災地復興に向け、4月1日新年度からは、将来の日本にとって最善の策を打ち出し、経済不況の挙句に地震・津波で先行き不透明だった日本に活況を取り戻してもらいたいものです。

[2011.3.31]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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