コロナ感染拡大でウィルス関連製品の製造、国内回帰へ!補助金1,600億円に応募殺到

生産を国内回帰へ「国内投資促進事業費補助金」を実施

新型コロナウィルスの感染拡大により、マスクやウィルス防護服、医療機器などサプライチ
ェーン(供給網)の混乱により、買い占めや転売目的で国民が手に入らない事態が発生したため、安倍政権はサプライチェーン対策として「国内投資促進事業費補助金」を今年4月に成立させました。
特にマスクなどは、人件費の安い中国での工場で生産させ輸入する日本企業が、製品が完成しつつあるものの中国当局に輸出禁止令が出されマスク不足を起こさせました。
中国など特定国に調達先を依存するリスクを実感した日本企業は生産拠点を分散させるケースが目立ち、国の設備投資など補助金に応募が殺到しています。
サプライチェーンとは
サプライチェーンは、製品の原材料・部品の調達から生産や在庫管理、配送、販売、消費まで全体の一連の流れであり、日本語では供給連鎖網とも言われています。
平成23年に起きた東日本大震災によりサプライチェーンが寸断され、日本経済のみならず海外企業や国民生活へも大きな影響を及ぼしました。
多くの部品メーカーなど製造業が被災により、原材料や部材が急停止し、日本の「ものづくり」パワーが世界中に証明された一方、同時に日本に依存していた海外企業が危機に陥り、日本離れも加速しました。
設備投資など補助金応募に競争率は11倍
サプライチェーン対策のための「国内投資促進事業費補助金」は、コロナ対策として今年4月に令和2年度補正予算に2,200億円が計上され、6月までの応募は90件と競争率は2倍弱でした。
ただ、コロナウィルスの影響で売上が減少した企業では、マスクなど医療機器関連に参入しようと残りの補助金約1,600億円は7月に締め切られ、応募数は1,670件、競争
倍率は約11倍までに膨らみました。
特にマスク不足に、業績悪化するアパレル業からの応募が目立っていました。
米国、国内生産回帰企業は税額控除
補助金の使用用途を見ると、中国を中心に海外拠点を閉じて国内へ拠点を移したり、拠点を米国やフランス、韓国に分散する動きが見られます。
米国の大統領選候補のバイデン前副大統領は9月9日、製造業を国内へ回帰させ雇用を拡大させるため、生産拠点を海外移転し米国内で販売する企業に増税する新税制案を発表し、国内の生産拡大する企業には税額控除を設けることを表明しました。
急速なグローバル化により世界中の企業で「ヒト・モノ・カネ」の流れが円滑に進むことで、自国内の雇用を喪失するリスクも大きな影響を受けているだけに新たな補助金により「Made in JAPAN」の拡大が望まれます。
●関連記事:「医療・介護参入企業に経産省が支援組織設立!補助金から資金調達まで受付」[2019.7.2配信]
[2020.9.15]
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