震災関連の倒産20ケ月で1,000件超えは阪神大震災の3.4倍!許されぬ相次ぐ政策終了に被災地以外での予算配分
1,000件中、間接的被害による倒産が915件
帝国データバンクは10月29日、「東日本大震災関連倒産」についての調査結果を発表。震災関連の企業倒産は10月26日現在、1,000件に上ったことが判明。直接的被害による倒産は85件、間接的被害による倒産が915件と、地域別でも関東が半数近くの477件となりました。
震災による企業倒産は、約20ケ月で1,000件を超え、阪神淡路大震災と同時点で約3.4倍とハイペース。今後は直接的被害による企業倒産の増加が懸念される被災地3県の動向が注視されます。
被災地3県の企業:借入の返済停止中565、リスケ中1万超え
金融庁によると、岩手、宮城、福島県に所在し金融機関から借入れをしている債務者のうち、今年6月末時点で返済を一時停止している債務者数は住宅ローンを除いて565先。さらにリスケジュール(条件変更)を契約した債務者数は1万3,461先あり、今後倒産に追い込まれる懸念も残ります。
被災企業への支援は、今年4月に福島の一部手形交換所を除き手形・小切手の不渡り報告への記載猶予措置策が終了。10月末には100%保証のセーフティネット5号の適用業種が縮小。さらに来年3月には中小企業金融円滑化法が終了。新たな経済、金融政策が急務です。
中塚金融相:リスケ延長ないが対応は「期限後も変わらない」?
中塚金融相は11月1日、全国の財務局長会議で中小企業金融円滑化法終了に向け、同法の3回目の延長はない方針を明確に示すものの「条件変更や資金供給に努めることは期限後も変わらない」と協調。経営の改善に向けた計画を提出した企業など支援を継続するよう金融機関へ促す見通しです。あとの処理は金融機関に任せ、貸し剥がし・渋りを懸念する企業へ不安を払拭するアピールしただけにとどめました。
先月には、復興予算が被災地とはかけ離れた地域で使われるなど、被災者、被災企業ならず国民の感情を逆なでするような問題が浮上。復興基本方針に「活力ある日本の再生」を組み入れ、これを口実に復興と直接関係のない予算がばらまかれました。霞ヶ関一流のテクニックといえるでしょう。
被災地以外に復興予算配分に野田首相、言い訳言いに被災地で「被災地優先」
復興を口実に各省庁が莫大な予算にむらがったとしか見えず、予算を捻出するための増税は誰が負担しているのか理解が問われます。野田首相は10月27日、被災地沿岸部を視察。復興予算が被災地以外で使われている問題に対し、「被災地が最優先」と協調。26日に閣議決定した緊急経済対策で、中小企業を支援するグループ補助金など約800億円を積み増すことを説明しました。
震災関連の企業倒産は、減少傾向を見せますが現在も1日1社以上が倒産に追い込まれ、水面下には予備軍も存在しています。被災地優先で、復興庁を牽引役に有効な政策への取組みが急務です。
●関連記事:「中小企業は「6重苦」どころじゃない!震災原因:事業停止・倒産の増加、528件は多い?少ない?」[2011.12.14配信]
[2012.11.5]
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