◆二十四節気◆令和3年6月5日「芒種(ぼうしゅ)」です。◆
◆二十四節気◆令和3年6月5日「芒種(ぼうしゅ)」です。◆
6月5日19時52分「芒種」です。旧暦5月、午(うま)の月の正節で新暦6月5~6日頃。天文学的には太陽が黄経75度の点を通過するときをいいます。
芒種(ぼうしゅ)とは、稲や麦など「芒:のぎ」のある穀物を植え付ける季節の意です。芒の付いた実は「もみ」のことです。暦便覧には「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり」と記されています。
梅雨入り前、雨が絶え間なく降り続き、、種まき・田植えの開始期にあたります。農家は田植えの準備などで多忙を極めます。
芒種の6日後頃が「入梅」となります。梅の実が熟する頃。雨が降り、カビが生える、うっとうしい季節でもあります。カマキリや蛍が現れ始め、梅の実が黄ばみ始めます。
◇◇◇五月雨(さみだれ)◇◇◇
陰暦5月(現在の6月)に降る雨のことで、梅雨入りの前から梅雨に降る長雨のことです。また日が差さないほど厚い曇が垂れ込めている状態の雲を「五月雨雲」と呼んで、曇天の代名詞でした。
◇◇◇五月晴れ(さつきばれ)◇◇◇
陰暦(旧暦)5月は新暦の6月です。旧暦での「五月晴れ」は、曇天の中のほんの少しのぞいた青空のことでした。それが明治3年改暦で新暦5月は「小満芒種」の良い気候が続く時節で、いつの間にか「五月晴れ」は雲ひとつ無い晴天を指すように変化しました。
◆◆「七十二侯」◆◆
◆初候「螳螂生」(とうろう しょうず):螳螂が生まれ出る時節。
◇蟷螂(とうろう)=カマキリ。昆虫綱・カマキリ目(蟷螂目、Mantodea)に分類される昆虫の総称。前脚が鎌状に変化し、他の小動物を捕食する肉食性の昆虫。
◆次候「腐草為蛍」(ふそう ほたる と なる:腐った草が蒸れ蛍になる。
◇腐った草が蒸れて蛍となる時節。この頃、腐った草などの下から、蛹(さなぎ)から孵化した蛍が夕闇を知り光を発し始めます。腐草(ふそう)=腐った草。
◆末候「梅子黄」(うめの み きなり):梅の実が黄ばんで熟す時節。
◇梅子(ばいし)=梅の実。
◆◆「6月の花」◆◆
☆「紫陽花:あじさい」アジサイ属 雪の下科 開花時期:6月1日~7月15日頃。
「あじさい」は、青い花が集まって咲く「あずさい」が変化したもの。
「紫陽花」は、唐の詩人・白居易が命名した別の紫の花のことで、あじさいの花のことではなかったのですが、平安時代の学者が「あじさい」にこの漢字を当て、その誤用が広まっってしまったのだそうです。中国では、「八仙花」「綉球花」などと呼ばれます。
日当たりと水はけの良い肥えた土を好みます。花の色は、紫・ピンク・青・白など。土壌が酸性なら青味が強く、アルカリ性なら赤味が強くなります。この色の付いている部分は実は「ガク」で、花は小さな点のようにガクに付いています。
日本特有の花木で、西洋アジサイは江戸末期に長崎のオランダ商館の医師シーボルトらがヨーロッパに持ち帰って改良した品種の逆輸入品種です。
花言葉は「辛抱強い愛情」「元気な女性優しい心」「謙虚」など。北鎌倉の「明月院」は、境内に多くのあじさいが植えられ「あじさい寺」として有名。(鎌倉市山ノ内)
◇◇◇◇編集後記◇◇◇◇
今年は芒種から数えて6日後の6月11日が暦の上の「入梅」です。今年は天気予報によると、暦よりも少し早い梅雨入りのようです。長い菜種梅雨の様相です。
小満から芒種を経て入梅までは、気候が良くとても過ごしやすい日が続きます。 この過ごしやすい陽気を「小満芒種」といいます。
暦の上では「入梅」が空けると「夏至」で、いよいよ本格的な夏に入ります。
梅雨時は食品の痛みに注意が必要です。食肉など食品関係の方はこれからの季節、注意を要する時期です。
読者の皆様お体ご自愛専一の程
筆者敬白