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平成22年12月31日「大祓え」「年越し」「除夜の鐘」です。

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■12月31日「大祓え」■ 
101231_5.jpg「大払い」(おおはらい)、「大祓え」(おおはらえ)とは、一年を通してすべての人が、日常生活で大小知らずのうちに犯した罪穢れや、先祖の犯した罪穢れを除去し、それによって災厄を避けることを目的とした儀式のことです。主に、6月晦日(30日)の「夏越の大祓え」、12月晦日(31日)の「年越の大祓え」をいいます。
大宝律令(701年)において正式に宮中行事となりました。朱雀門前の広場に親王、大臣以下在京の百官を集め、大祓えの詞を読み上げて万民の罪穢れを祓いました。

「神祇令」(しんぎりょう)には、毎年6月・12月の晦日に朝廷で天皇以下全官人・官人の家族までを対象として執り行なわれる「二季恒例大祓」と、諸国で臨時に執り行なわれる「諸国大祓」とが登載されています。
現在は、宮中の内部や神社の行事として執り行なわれます。心身ともに清らかな状態にし、新年に歳神(としがみ)をお迎えして、歳の霊(としのたま=餅)を神さまと共に食し、良い一年にするものです。穢れ(けがれ)とは、新年には瑞々しく張りのあった「気」が、だんだん「枯れて」いく=「穢れ」としたもの。生命力を補給するものと考えられています。

年越の大祓えを済ませ、新年を迎えた時、神さまからひとつ歳を頂くのです。元旦には、歳旦祭が執り行なわれます。元旦の朝には、神棚にお供えをして一年の計を祈願します。

■12月31日「年越し」■ 
「年越し」とは、大晦日から元旦までの間、またはその間の行事のことをいいます。年越しの境目は「除夜」(じょや)となります。

「除夜」は、年神を迎える為に心身を清め、一晩中起きているのが習いでした。昔は、年神を迎える神聖な「物忌みの夜」として、この夜、早く寝ると白髪になるとか、シワが寄るとかいわれていました。

青森県の上北部では、眠らずに元旦を迎える「尻枕」(けつまくら)という習わしが残っているそう。家中で炉の周りに集まり、年の順に人のお尻を枕にして寝るというもの。また、青年達が除夜の鐘を合図に裸で海に飛び込むというのも、一年中の穢れを落として、歳神を迎えるための禊です。

年越しに酒や餅などを先祖に供え、御節などで特別な食卓につく風習があります。地方によっては麦飯や鶫(つぐみ)、樫鳥(かしとり)を食べる風習も残っています。鶫は「継身を祝う」の意。樫鳥は「貸し取り」の意で、上手にお金が取れるといわれ、両替商・金融業の人が食しました。
 
101231_7.jpg「年越し蕎麦」もそのひとつで、大晦日の晩に家族みんなが寄り集まって、蕎麦を食べながら年を越す習慣です。起源は定かではありませんが、もともと江戸中期には毎月末に「そば切り」を食べる習慣がありました。蕎麦を食べるのは、蕎麦がよく伸びることから、命を延ばし財産を延ばすとことに通じるという語呂で縁起を担ぐものです。蕎麦が五臓の汚れを取るというので無病息災を祈願するの意でもあります。
元来、そば粉は「そばがき」のようにして食すのが普通でした。粘着力があるので江戸の職人達は大晦日の大掃除にはそばを練って「そば団子」を作り、それで部屋の隅々の小さなゴミやホコリを取っていたそうです。

金銀細工を生業にしている人にこの方法が珍重されました。そば団子で飛び散った金粉銀粉を掻き集め、その団子を七輪や火鉢の上で焼いて灰にすると、金や銀の粉だけが残ります。ここから「蕎麦は金を集める」という諺も生まれたほどです。

「大晦日」とは、一年最後の晦日(みそか)のことで、12月31日のこと。毎月の晦日を「つごもり」ともいい、大晦日は「おおつごもり」ともいいます。

かつての江戸や明治時代の東京では、大晦日のこの日、朝早くから夜遅くまで人通りも多く活気がありました。あちこちに「歳の市」が立ち、商屋では「新しいのれん」に掛け替え、暗くなれば軒提灯や高張提灯を出して、夜遅くまで商いを続けました。そして、町中を借金取りが駆け回ったそうな。歳の市には露店が並び、南天や福寿草などの植木も売られます。宮中では、大晦日には「節折り(よおり)の式」、「大祓」「除夜祭」が執り行われ、神社では「大祓の神事」が行われます。

■12月31日「除夜の鐘」■ 
101231_6.jpg「除夜の鐘」(じょやのかね)とは、12月31日の除夜の12時をはさんで諸方の寺院で鐘を撞(つ)くこと。または、その鐘の音のこと。「百八の鐘」ともいわれるように、百八つ鳴らすことになっています。「百八つ」(ひゃくやっつ)という数字は、「人間には百八つの煩悩がある」という仏教思想に基づいたもの。百八の煩悩を除去し、新年を迎えるの意。百八つの煩悩を覚まし、仏道を成ぜさせる煩悩解脱を祈って鳴らすともいわれています。

「百八つの鐘」は、大晦日だけとは限らず、寺院では朝夕108回鐘を鳴らすのを原則としています。但し、普段は略して18回にとどめています。暁に鳴らす「暁鐘」(ぎょうしょう)は眠りを戒め、暮れに打つ「昏鐘」(こんしょう)は目の眩んだ迷いを覚ますため。その響きを聴く者は、一切の苦から逃れ、悟りに至る功徳があるとされます。

鐘を108回も打つとなると、数えるのも大変です。数珠を使ったり、豆を用意したりして数えます。数珠は木患子」(もくげんじ)の実を貫き通して作られています。鐘をつく前に鐘に向かい、合掌礼拝してから撞木(しゅもく)を握ります。そして107声までは旧年に、最後の1声は新年に撞きます。

※もくげんじ(木患子)=もくろじ科もくげんじ属。(せんだんばの菩提樹)本州日本海側の山林や崖地に分布。樹高10m以下の落葉高木。7~8月に黄色の集団花を咲かせます。寺院等に植えられ、実はほおづき状になり、その中の種は黒く、数珠に使われます。
 
仏教では、そもそも人間の心身を苦悩させる煩悩は、108種あるとされています。「108の煩悩」とは「眼・耳・鼻・舌・身・意の六根」が、「色・声・香・味・触・法の六塵」と関係するときに、それぞれ「苦楽・不苦・不楽の三種」があって十八種の煩悩となり、これを「染・浄」の二つに分け、この三十六種をさらに「過去・現在・未来」の三つに分けて108種になります。

人間の罪業消滅の意を込めて、鐘を撞くときには般若心経や観音経などのお経を唱えながら、心清らかに撞木を打ちます。鐘の種類には「梵鐘」(ぼんしょう)と「喚鐘」(かんしょう)があり、梵鐘は「大鐘(おおがね)・釣鐘(つりがね)・鯨鐘(げいしょう)」などともいい、銅・錫・亜鉛などで造られます。
 
梵鐘の「梵」は、梵語(サンスクリット)のBrahma(神聖・清浄)を音訳したもの。中国、殷・周時代から制作されている「編鐘」(へんしょう)という青銅器が梵鐘の源流と推定されています。形状は、龍の頭を模った龍頭といわれる釣り手があり、下部には蓮華状の二個の突座があって、吊るした撞木(しゅもく)でここを叩きます。上部に乳房状の小突起が巡らされています。

日本にはじめて鐘がもたらされたのは、欽明天皇23年(562)に大将軍・大伴狭手彦(おおとものさでひこ)が高麗(朝鮮)に遠征した折、戦利品として三口の銅鋳鐘を持ち帰ったものとされています。日本で鋳造の現存する最古の鐘は、文武天皇2年(698)に造られた京都の妙心寺のものと伝わります。

四方八方に鳴り響く荘厳な鐘の音は、それを聞く人々の心に温かい仏心を呼び起こします。除夜の鐘は人ばかりでなく、牛や馬や道具にまで仏心を及ぼして休ませ、歳取りをさせる風もみられます。

◇ ◇ ◇ 編集後記 ◇ ◇ ◇
早くも年末です。通勤電車や人ごみで咳をしている方を見かけます。風邪が流行しているようですから外から帰ったら手洗い、うがい、マスクに厚着で予防です。
読者の皆様、今年一杯いっぱいお付き合いくださって有難うございます。懲りずに来年も配信して参ります。お付き合いくださいませ。
筆者敬白 合掌

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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