9月23日二十四節気「秋分(しゅうぶん)」です
■9月23日「秋分」━━━━━━━━━━━━━■
9月23日12時09分「秋分」です。旧暦8月「酉」(とり)の月の中気で、新暦9月23日頃。天文学的には、太陽が黄経180度の「秋分点」を通過するときをいいます。
秋分点とは、黄道と赤道が交わる点のうち、赤道の北から南へ向かって太陽が横切る点のこと。この日、太陽は真東から昇り、真西に沈みます。昼と夜の長さがほぼ等しいと言われていますが、実際には秋分から3日後です。「暦便覧」では「陰陽の中分なれば也」と説明しています。
北の方から冬篭りの準備を始める頃です。残暑の名残も感じられますが、秋分を過ぎると日に日に肌寒さを感じます。北のほうから紅葉の便りが伝えられるようになり、もみじの色づきが始まります。例年北海道では大雪山の初冠雪が観測される時期です。
秋のお彼岸には曼珠紗華が花をつけます。真紅の花が路地に咲いているのを見て、秋分を感じる方も多いようです。田では稲穂が色づき収穫が近い頃です。早稲は秋分をさかいに刈り取ります。
また、この日は「彼岸の中日」にあたります。彼岸の名称は、仏典の「波羅蜜多」(はらみつた)という梵語の漢訳「到彼岸」(とうひがん)という語に由来します。「現実の生死の世界」から煩悩を解脱し、生死を超越した「理想の涅槃の世界」へ至るの意。煩悩や迷いに満ちたこの世「此岸(しがん)」に対して、向こう側の悟りの境地を「彼岸(ひがん)」といいます。
彼岸の頃になると、寒暑ようやく峠を越して凌ぎ易くなってくることから「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉が使われるようになりました。
■「七十二候」━━━━━━━━━━━━━━━━■
◆初候「雷乃声収」(らいすなわちこえをおさむ)
◇雷乃ち(すなわち)声を収む。雷が鳴り響かなくなる時節。
◆次候「蟄虫坏戸」(ちゅっちゅうこをはいす)
◇蟄虫(ちっちゅう)戸を坏(とざ)す。土中の虫が土で穴の隙間を塞ぐ時節。坏=ふさぐ。
◆末候「水始涸」(みずはじめてかる)
◇水始めて涸(か)る。※水田の水を干しはじめ、収穫に備える時節。涸る(こる)=水が尽きる。
■9月23日「秋分の日」「彼岸中日」━━━━━■
「秋分の日」は、国民の祝日の一つ。祝日法では「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
秋分の日は、秋の「彼岸の中日」にあたります。「昼と夜の長さが等しい」といわれますが、実際には昼の方が少し長いです。
戦前は「秋季皇霊祭」(しゅうきこうれいさい)といいました。毎年、秋分の日に宮中の皇霊殿で行われる皇室の大祭のことで、歴代の天皇・皇后・皇族など、皇祖の神霊を祀る儀式が行われました。戦後に「秋分の日」と改めて、庶民が先祖を祭る日となりました。
秋季皇霊祭◇皇室による先祖を祀る祭儀は、「古事記」「日本書紀」などに皇祖の御霊を祀ったとあります。平安時代中期以降、京都御所の清涼殿・御黒戸の間において仏式で執り行われていました。明治の神仏分離政策により、神式による祭儀に変更されました。この日、皇霊殿前庭では宮内庁職員により「東遊」(あずまあそび、東舞)の儀が執り行われます。
◇ ◇ 編集後記 ◇ ◇
平成22年のこの時期は、残暑厳しく未だ夏の延長のような日々が続いています。それでも少しづつ秋に向かっています。外路地の広葉樹は葉の落ちる木々もあり冬を迎える準備をしているのを感じます。
平成20年21年の編集後記を見たら、選挙が目に付きました。今年も報道は選挙の結果です。秋分の「昼と夜の長さが等しい」に掛けて崩れている陰陽をバランスして頂きたいものです。
読者の皆様、朝晩は冷え込みます。お体ご自愛専一の程
筆者敬白
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