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【雑誌寄稿】復興の道に臨む/セーフティーネットの拡充が文化・経済を復興

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復興の道に臨む

過日、2008年に発生した岩手・宮城内陸地震により長らく通行止めとなっていた国道342号線がようやく再開通を果たした。地震発生当時は復興までに3年はかかると言われていたが、予想以上の早さで修復された342号線は以前よりも広く、山道の蛇行も緩やか。晴天の下で開催された開通式には、多くの地元住民の参加だけでなく県内外のマスコミの取材も入り、地域の復興ムードを盛り上げた。

復興イベントに参加した建設業者の一人は苦笑しながら語る。「不景気だというのに、私たちはあの地震のおかげで仕事ができました。道路が元に戻ったところで、まだ営業が再開できない温泉も多いというのに」。被災地周辺には200年以上前から複数の温泉施設があった。それぞれ特色をもつ温泉で、かつては湯治場として近郊の人々で賑わい、登山ブーム、温泉ブームと時代と共に地域の観光の礎として栄えた。また、日本の「温泉遺産百選」に選ばれるなど、全国的にも知名度は高い。 

ところが、2008年6月14日に発生した宮城岩手内陸地震により破壊的な被害を受け、周辺の入浴施設、宿泊施設の多くも事業の中断を余儀なくされた。被災から2年余り、営業を再開できている温泉旅館はほんのわずか。被害を受けた民間経営の温泉が相互協力の基に「復興の会」を発足して義援金を募るなどの活動を続けているが、多くの温泉は営業再開の目途も立たない状態でいる。地震、台風などの自然災害が発生した場合、損害を最小限に止めて経営を早期に回復、継続させるための設備、資金などを持たない中小・零細企業の事業中断は、その後の事業縮小や従業員解雇などの問題につながる。復旧が大幅に遅れた場合には、廃業や倒産にも至りかねない。

2006年の「中小企業BCP策定運用指針」公表(中小企業庁)以後、岩手・宮城内陸地震だけでなく、近年頻発しているゲリラ豪雨による洪水・土砂崩れなどの大規模な自然災害の発生も相まって、「危機管理」という概念は中小企業にも広く浸透してきたという実感はある。

しかし、企業経営の現場においては、日々の運転資金にも苦しんでいる状況下で、非常事態を想定した資産の確保、運用が困難であることは想像に難くない。経営の基盤を固めるための危機管理はもちろん重要であるが、更なるセーフティネットの拡充がなければ、わが国の経済及び文化の復興の道は遠い。 [2010.10寄稿] 
[2010.12.11]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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