(8)金融機関を納得させる経営改善計画書
2009年12月、中小企業金融円滑化法が施工され、同時に金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)も改定されました。内容は、「実抜計画の作成に1年間の猶予」「金融機関が作成した資料でも実抜計画とみなす」「産売却、経費削減の予定がなくても技術力、販売力があり経営改善が見込める場合」とあります。
金融機関とのリスケジュールで経営改善計画書を基に渉していたものが、1年以内に金融機関へ提出すれば良いということになります。しかも、金融機関で作成されたものでも「実抜計画」とみなすという、かなり大胆な緩和策です。
しかしながら、この緩和によって経営者は甘えてはなりません。事業再生には経営者の再生しようとする意思が一番大事です。そしてその姿を社員や家族も見ていることを忘れてはなりません。今回の緩和に甘えず作るものはつくり金融機関と対等に交渉したいものです。
再生計画の立て方は事業の財務内容によって異なります。まだリスケジュールの交渉をしていなければ再生期間はどれくらいなのか、毎月の返済額はいくらにするのか、どのような再生を果たすのかを資料にして金融機関と交渉していきます。
リスケジュールだけで再生可能なら1年くらういを目安に、2期連続黒字を出せば金融機関からの信用も取り戻せます。
それに対して、社員の給与も数ケ月で払えなくなり、取引先への支払いもすでに滞りがちというような場合、再生には短くても3年はかかるので、中期で考えなければなりません。債務額が多く、会社分割や不動産売却、大幅なリストラが必要な重症の事業は10年後も見据えた長期的な計画が必要になるりますが、あまり長期的になると金融機関から見限られ「法的整理」される場合も出てきてしまいます。
1年、3年、5年後という中期で計画を立て金融機関に理解を求めるべきでしょう。
要は、ただ「経営が苦しい、返済できない、だから助けてくれ」と現状を訴えるのではなく、再生スキームを使えばどう再生するのか、金融機関から見てどんな優良取引先に変身きるのかを示すことが重要です。
事業再生のための経営改善計画書は、できるだけシンプルに、数字などはグラフに、イメージ図なども使い見やすくわかりやすく作成して欲しいものです。<つづく>
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