事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

(6)経営危機・・社員のモチベーションをどう維持するか

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企業にとって経営危機に遭遇したときに一番避けたいのは風評被害です。「あの会社は危ない」など噂が広まると取引中止になる可能性も出てきます。取引先には最後の最後まで情報を漏らさず再生を進めていきたいですね。
逆に金融機関に対しては真っ先に相談しても問題はありません。金融機関は守秘義務をを負っているので危機情報が漏れることはありません。リスケジュールなどすぐに申し込み対処すべきです。仕入れ先に対しても支払サイトを1ケ月延ばしてもらうなどして具体的な再生案を提示し、交渉していきます。

100420_1.jpg経営危機に陥った企業でよく見られるのが社員の不平、不満、ヤル気をなくした光景です。営業活動や商品の製造にも影響し、結果的に売上が落ち、不良率も上がってしまいます。いかに社員のモチベーションを維持するかが重要になってきます。
リーダーである経営者が目指すべき再生の方向性をしっかり立て社員を引っ張っていかなければなりません。
経営危機情報の共有化も一つの課題。短期的な資金繰りの悪化であれば役員、幹部、部長クラスと共有するか、経営者と財務担当者だけで共有してもいいでしょう。しかし、より切迫した状況ならより多くの社員と情報共有したほうが私はいいと思います。

100420_2.jpgパナソニック全額出資の朝日電池製作所は1970年代、経営悪化、倒産寸前になったときのことです。当事年間120日の休暇があり、ラインは常に誰かが休みをとり、生産が遅れる事態が発生しました。
そこで企業のトップは会社が苦しいことを社員に説明、「今、辞めるなら退職金は全額支給」「残るのなら有給を買い上げ、休まないで欲しい」と率直に直訴しました。その説明後、皆勤賞をとる人が続出、社員のモチベーションは上がりました。
このように社員に経営危機の説明をする場合は、データなど示しながらリストラやコストカットせざるを得ないことを承知してもらわなければなりません。

100420_3.jpgまた、土木業と不動産業を営むある企業では、会社分割の後、黒字の不動産業を新会社へ移したところ、土木業の社員が危機感を抱き、懸命な営業努力で事業を吹き返したという例もあります。

いづれの場合にせよ、経営者は社員の力量を計って対応を決めなければならないということです。
<つづく>

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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