WIPO「技術革新力ランキング」発表/日本は25位に転落!「産・学・官」連携で世界を支える技術力育成を!
WIPO「技術革新力ランキング」発表/日本は大幅にランクダウン!
先日、地方の産業都市で技術者として働く知人との会話の中で、「ヤバいよなぁ」と焦る声を聞きました。何事かと思えば、世界知的所有権機関(WIPO)が7月3日に発表した2012年の「技術革新力ランキング」で、日本が前年より五つもランクを落として25位になったことを憂いたもので、世界の中で徐々に沈んでいく日本に対する評価を危惧しての発言でした。
技術革新力:トップ3は前年と同じ/アジア圏の底上げ顕著
技術革新力は、法整備やIT活用度、人材などを総合評価しています。
世界141カ国・地域の「技術革新力ランキング」において、日本は総合25位と前年の20位から後退。トップ3を見ると、1位はスイス、2位はスウェーデン、3位がシンガポールの順で、昨年と同じです。アメリカはランクを三つ下げて10位、韓国は21位、中国は34位。中国は香港特別行政区に限れば、8位と上位にランクされました。
日本に足りないのは「創造性」?
ランキングは研究開発部門の投資額や従事する人材、特許取得件数、科学論文の発表数など約80項目を点数化して決められます。発表によれば、日本は起業のしやすさや創造的なサービスの輸出などの項目で低い評価だったとのこと。日本は「インフラ」は7位と健闘しましたが、「創造的な成果」を生み出す評価で69位となり、上位の先進国勢から大きく引き離され、アジアでは中国や韓国にも抜かれてしまった形です。
技術力は低くない!「神の粒子」発見支えた日本企業の先端技術
気になるのは80項目の中身ですが、日本の技術力は低くはないということは言えるはずです。万物に質量を与え、「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子の観測にも、古河電気工業の超電導線材や、JFEスチールや東芝の鋼材やコイル、浜松ホトニクスのセンサー、クラレの特殊プラスチックファイバーなど、日本企業の先端技術が数多く採用されました。
「産・学・官」連携で国際競争に臨め!
幅広い産業分野に応用可能な環境技術など世界の最先端を行き、世界を支える技術分野は多数あります。資源の少ない日本がこの先も国際競争のなか生き残るためには、技術力を落とすわけにはいきません。
世界的に技術レベルの底上げがなされているいま、世界競争に臨むには、産学官が連携し、施設資源と人材、情報をフル活用することが必要です。
[2012.7.26]
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