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【平成25年】日本経済はどうなるVol.2/中小企業支援の中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)、今年3月末で終了!不良債権債権回収事情は?

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369万件の返済猶予、2度の法案延長で繰り返しリスケジュールする企業も
平成20年のリーマン・ショック後に中小企業の資金繰り支援で施行されたモラトリアム法は、いよいよ今年3月末で打ち切られます。同法のリスケジュール(条件変更)は、金融庁指導のもと9割以上の金融機関で実行され、申請された数も昨年9月末時点で369万8,079件。
同法は時限法案ながら、リーマン・ショックから東日本大震災、歴史的円高など企業をとりまく環境が悪化し、これまで2度ほど延長。中小企業の資金繰りを下支えし経営再建を促すものの、経営改善計画が進まずにリスケジュールを繰り返す中小企業も目立ち始め、金融庁関連団体や一部経済メディアでは「倒産の先送り」だとの気の早い指摘も上がっています。

金融庁:モラトリアム法案終了後も変わらぬ対応要請
モラトリアム法を利用し、経営再建を図る企業は30~40万社と見られ、このうち経営改善計画が進む中小企業は金融機関が把握する限り2割を割り込み、法案打切りで倒産増加の懸念が残ります。金融庁では、同法終了後も変わらぬ対応を金融機関に求めるものの、これまで歩調を合わせた金融機関も、独自の債権回収へ向けた動きを強める可能性も否定できません。

予備不良債権は地銀を中心に11兆円超!(帝国データバンク)
帝国データバンクが行った国内主要113行の昨年9月末時点の中間決算調査によると、融資残高は424兆631億8,500万円。不良債権とされるリスク管理債権は11兆2,075億1,000万円で、地方銀行の融資残高の高い割合が目立っています。

金融庁:劣後ローンを資本から除外する変わりに貸倒引当金の資本算入比率を倍増
金融庁は昨年、衆院総選挙前の12月12日、地域金融機関を対象とした新たな自己資本規制を平成26年3月期から導入することを発表。自己資本比率4%の維持は継続するものの、自己資本の定義を厳格にし、劣後債や劣後ローンを除外する一方で、不良債権の発生に備え積み立てる貸倒引当金の資本算入比率をこれまでの倍の1.25%まで認めるとしました。
金融庁では、地方銀行や信金、信組、農協など地域金融機関を対象に原則10年かけて段階的に適用。地域金融機関の資本内容を充実させ、貸し渋り防止などを目指します。

決め手は「劣後ローン」!利用が増加、新たな融資が企業再生へ?
モラトリアム法のリスケジュールを申請した受ける金融機関の9割弱は地域金融機関。不良債権に備えた貸倒引当金の資本算入の割合が倍になることで、経営改善が進まない企業への融資に引当金を前倒しで積むことにより自己資本比率は上がり、債権を維持することも可能となります。一方、返済順位の低い劣後ローンは資本から除外され資本の質も高まります。
日本政策金融公庫によると、昨年4月~11月に劣後ローンを活用した企業は前年同期比225%増の336社と大幅に増加。企業再生を取り組む企業の約5割が財務体質の強化に向け劣後ローンを活用。金融機関の自己資本比率は今後、引き下げられるものの、貸倒引当金の積立てにより、新たな融資の可能性が生まれ中小企業再生に広がりが見られそうです。

その1:八木宏之の今後の動向予見
モラトリアム法が3月で終了するのは避けられそうにありません。衆議院選挙前に民主党政権金融大臣が個人的な見解だとしながらも、モラトリアム法案延長のコメントを出しましたが、単なるリップサービスだったようです。自民党政権に変わって法案は終了の方向です。
既に数多くの企業や、個人がモラトリアム法案を利用して状況打破を図っています。中には東日本大震災の影響や、デフレ煽りで失業した方、業績の悪化から、経営再建途中の中小企業の経営者もいらっしゃるでしょう。
皆様、法案終了後、すぐに債権回収が始まるわけではありません。個人的な予想では、金融機関の決算書が出そろうのは実質6月です。翌7月には参議院選挙が実施されます。それまでは、政権政党からの圧力で債権回収は先送りになるでことしょう。

その2:八木宏之の事前対策は・・・
結論的に、今年の7月までに業績回復しない企業や収入の当てのない方は、今のうちに最低限の生活確保を目的に「不動産リースバック」や「事業継承」をするなど対策を講じる必要があります。
残された時間は、参議院選挙までと認識しましょう。
やってはいけないことは、①高利の融資に借り入れを起こすことや、②資金の裏付けのないコンサルタントの意見を聞くこと。③法的処置を急ぐ方々の意見に耳を傾けると、逆の結果を早めるだけです。

 

[2013.1.2]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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