TOTOの強さ②:顧客の要望に向き合う、超難題を克服する姿勢と開発力。
大きな転機となったユニットバス
衛生陶器大手のTOTO(TOTO(株):福岡県北九州市 喜多村円社長)が、なぜ強い企業になったのか。
開催前の開業を目指していた日本発の超高層ホテル「ホテルニュー・オータニ」((株)ニュー・オータニ:東京都千代田区 大谷和彦社長)とのビジネスで、ユニットバスを生み出しました。顧客の要望に正面から向き合う姿勢と開発力が裏付けになった工夫がなせる業でした。
他社からまねされる企業でありたい
「施主さんから要望があれば何でもやる。当社がやるとすぐにまねされるのだが、むしろまねされる企業でありたい。常に先駆者でありたいし、ニーズを発掘して自分たちが作り上げたい」。
喜多村社長は、日経新聞のインタビューでそう答えています。姿勢は、50年前と変わりません。
建設ラッシュのなかで持ちかけられた相談
昭和38(1963)年当時、TOTOは、ホテルニュー・オータニの施工主である大成建設(大成建設(株):東京都新宿区、村田誉之社長)から、深刻な相談を受けました。
五輪前の開業に、どうしても浴室の内装が間に合わない。室内ができあがってから浴槽を設置し、浴室を仕上げる従来の工法では、一室当たりの工期が約1か月かかりました。その頃の東京は建設ラッシュで、職人も奪いあいです。
その際、TOTOは、組み立てた浴室を現場で据え付ける「ユニットバス工法」を考案したのです。
工期1カ月から、たったの2時間に短縮
あらかじめ工場でユニットを組み立てておき、それをエレベーターで現場に搬入し、据え付けます。ストップウォッチを使い、組み立ての実演を繰り返しました。
一室の設置時間はたったの2時間になり、全体の工期も10分の1に短縮させて、わずか3カ月半で全1044室のバスルームが完成したという訳です。
一室の設置時間はたったの2時間になり、全体の工期も10分の1に短縮させて、わずか3カ月半で全1044室のバスルームが完成したという訳です。
TOTOは、平成32(2020)年の東京五輪でも、オフィシャルパートナーです。
[2016.10.25]
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