不動産投資信託(REIT):東京三菱UFJ銀行、融資債権を地銀、投資家に売り大手行以外からの資金調達
融資債権を売って大手行以外からの資金調達へ
大手銀行が資金を供給し、政府も現在の2倍の30兆市場への成長を期待する、不動産投資信託(REIT)。踊り場に差し掛かった現状を前進させるため、三菱東京UFJ銀行((株)三菱東京UFJ銀行:東京都千代田区 小山田隆頭取)が、地銀や機関投資家に融資債権を売り、大手行以外からも資金を調達する取り組みを始めます。資金のすそ野を広げる試みです。
REIT融資を証券化して投資家に販売
三菱東京UFJ銀行は、REIT融資を証券化して、投資家に販売します。「シンセティックCDO(債務担保証券)」と呼ばれるもので、第1弾は今年6月末、グループの三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株):東京都千代田区 長岡孝社長)を通じて販売します。投資家は、貸し倒れリスクを負う一方、この低金利時代に一定の利回りを得ることができます。銀行にも、自行の融資余力など財務改善を図るというメリットがあります。年間2千億円程度ずつ、需要を見ながら売っていく見通しです。
あと3年で市場規模16兆から30兆
政府は、現在16兆円のREITの市場規模を、平成32(2020)年に30兆円まで増やす目標を掲げています。資金については、大手行頼みの状況でしたが、それだけでは成長に限界が訪れていました。地銀や機関投資家など、新たな資金の出し手を探すべきタイミングでした。負担を抱えきれない大手銀行と、政府の思惑とが一致し、欧米では一般的なこの形の資金調達に踏み切りました。
リーマン・ショックでの教訓は常に...
マイナス金利政策の影響で、投資家も運用に苦慮しています。ある程度のリスクがあったとしても、大手銀や国がバックについた融資なら乗っておこうという空気が、当然、できます。とはいえ、平成20(2008)年のリーマン・ショック後、多くのREIT法人が経営破綻に陥ったことを忘れてはいけません。加熱は禁物です。
●関連記事:「4月の通貨供給量(マネーストック)、1241兆円/2.6%増(前年同月比)、M&AやREITの資金需要か」[2016.5.16配信]
[2017.6.24]
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