ゆとりローンの再来、住宅ローン破綻、競売増加
減少ペース加速、大手も減収
金融庁によると6月末時点での貸金業者数は3,313社と前年同月比で40%も減少しました。貸金業者など貸金業者の減少ペースが加速しています。貸金業者は総量規制や上限金利規制など改定貸金業法による影響、さらに追い討ちをかけるように過払い金返還の影響を受け、中小や零細貸金業者の倒産、廃業が余儀なくされています。
消費者金融大手4社(アコム、プロミス、アイフル、武富士)の平成22年年4月~6月期連結決算も営業収益は軒並み減収となっています。
461万人のローン延滞?
週刊ダイヤモンド(平成22年8月14・21日号)では「461万人がローン延滞!?正確なデータなき業界のお粗末」とい特集を組んでいましたが、この「461万人」をめぐって消費者金融業界の中で話題となっているようです。この数字は信用情報を収集・提供する「株式会社日本信用情報機構(JICC:東京都千代田区神田多町2−1神田進興ビル 嶋田 一弘代表)」が毎月発表している延滞者数です。
情報量急増で「延滞者増加」?実態は不明
JICCによると従来、借り手が希望すれば、債権や延滞情報は信用情報機関に登録しないことも可能でした。改正貸金業法の完全施行に伴って登録が義務化され、3~6月にかけて一気にデータ登録したためと回答しています。さらに平成21年8月に信用情報機関の株式会社CCBと合併したことで、情報量が急増したと更に加えています。JICCは問い合わせも多く、中身を検証している段階」原因不明とでもいいたいのでしょうか?何ともお粗末な話ですが、デフレの長期化、雇用問題、減収などからも、今後は延滞者が増えていくことに間違いはないようです。
住宅ローン破綻は日本版サブプライム?
8月14日付け新聞報道によると住宅ローンの破綻が急増、不動産の競売が6万件、金融機関の甘い審査が落とし穴だと報道していました。購入者は住宅ローンが返済できなくなると保証会社が競売を申請してしまうのです。
競売は平成21年度には前年の1,3倍の約6万戸に達したとのことです。「頭金なしで家賃並みの返済」と甘い誘いでマイホームという夢を実現させようとした誘惑のようにも見えます。
ゆとりローン、再び
住宅ローンは平成4年「ゆとりローン」というマイホームの夢がかなうローンとして脚光を浴びました。初年度70万件、平成5~6年度110万件の契約をとった金融商品です。当初5年間は超低金利で返済、6年目以降から高金利になるしくみで、6年目以降に返済できずに自宅を手放す人が相次いだのです。当時は「国家ぐるみの巨大詐欺では?」とも報道され社会問題にも発展し、平成12年4月「ゆとりローン」は廃止となりました。
繰り返される業者寄り審査
今、また同じことが繰り返されているのです。ノルマ達成のために甘い審査で融資を実行し返済不可能であろう購入者にマイホームを与えたのです。その結果、平成21年に6万戸の競売が行われ6万の家庭が自宅を失ない、競売で市場価格より安く売却され、残債を自宅もないのに返済していかなくてはならない羽目に落ちいているのです。
少しでもいい条件で売却する。
貸金業者が目に見えて減り、住宅ローン破綻が増える社会になってしまった現在100年に一度の金融危機は誰にも予想できなかった方向に向かっています。
長引くデフレで今後競売物件が更に増えると予測できます。自宅は何よりも家族、心の拠りどころです。私たちが声を上げている事業再生の現場では、自宅を手放してしまって働く気力や支えがなくなってしまって、生きる気力に欠ける方に出会います。何らかの事情で売却しなければならないのなら、任意売却やセール&リースバックという方法もあります。大げさに言うとゆとりローンのような「国家ぐるみの巨大詐欺」の被害者にならないよう、希望と計画性を持って事態に対処していきましょう。
自宅の不動産でお悩みのある方はぜひご相談(株式会社セントラル総合研究所TEL.03(5297)6911)ください。
[2010.8.16]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: ゆとりローンの再来、住宅ローン破綻、競売増加
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/114
コメントする