エコポイントで市場回復!9月打ち切りで再びデフレ?政府内足並み乱れ
小幅な赤字から大幅な黒字へ転換!
家電エコポイントは環境省主導で平成21年5月スタートしました。
日本経済新聞は30日、電機大手8社の第1四半期(平成22年4月~6月)の連結決算が発表され、NECを除く7社が黒字になったと報道しました。地デジを見据えた薄型テレビ、液晶テレビの普及や中国、インドなど新興国への需要の回復、そして何よりエコポイント制度が大きく影響しました。
ソニーの営業損益はリーマンショックで記録的な赤字を出した前年同期257億円の赤字から670億円の黒字へ。パナソニックも201億円の赤字から838億円の黒字へ大幅に転換しました。まさしくエコポイントは家電業界で見事なカンフル剤となりました。
制度延長、適用商品拡大!
家電業界に続いて平成21年12月、政府の追加経済対策で新設された住宅版エコポイントは、省エネ住宅やソーラーパネル、二重サッシ設置などのリフォームにも適用されています。
29日発表された住宅景況感調査結果(住宅生産団体連合会調べ)によると、第1四半期の実績は総受注戸数プラス29(前年同期プラス14)ポイント、総受注金額プラス46(前年同期プラス31)ポイントとエコポイント制度や贈与税の非課税枠拡大などの政策が下支えしたとみています。
国土交通省では、今後の住宅市場の回復にさらに景気、環境対策を強化する必要があるとし、平成22年12月までの制度を来年度も活用できるよう期間延長も検討しています。また、省エネ効果の高い給湯器設置など適用商品を拡大することも示唆しています。
増加率が過去最大に!
自動車産業では平成21年4月のエコカー減税と同時期にエコカー補助金制度が新設されました。
30日発表された国内自動車生産台数(日本自動車工業会調べ)は、第1四半期2,301,292台(前年同期1,711,609台)と前年比134%の増加率でした。これは昭和41年調査開始以来、過去最大を増加率とのことです。エコポイントやエコカー減税のダブル購入支援政策によって国内販売が伸びたほか、輸出の需要も増えたことが要因としています。
予定通り打ち切り?直嶋経産相
家電も住宅も自動車もこの4月から6月までの第1四半期は好調でエコポイントは大当たりでした。販売が好調なら部品調達や輸送などの恩恵が関連産業波及へもと期待がもてるのはみなさんも同じ意見かと思います。
しかし30日、政府は延長も検討されていたエコカー補助金制度を、予定通りの9月末で打ち切ると発表しました。直嶋経済産業相は「臨時、異例の措置としてやってきた。自動的に9月末で終了することになる」と述べていましたが、国土交通省では延長を検討しているのに、この発言はまさしく???です。
財政が厳しいのはわかりますが、業界が過去最大の増加率を記録し明るい日差しを浴びはじめようとした今、なぜ「予定通りの9月末」で打ち切りなのでしょう。本来この制度は平成22年4月までの時限制度でしたがそれを9月まで延長してこの第1四半期に見事結果を出したのです。「さらに延長を・・・」という思いは私だけでしょうか。
改正貸金業法の二の舞にも
自動車業界は8月から9月にかけて駆け込み需要に期待が持てますが、10月以降冬場では、急激な消費の落ち込みで低迷を避けられないといった、エコポイント終了の副作用が目に見えるようです。
これを防ぐにはエコロジーに関わる自動車整備や、各メーカー数車種まで絞り込むなど制度の限定的な延長に解決の道があるでしょう。古くは不動産の総量規制、最近では改正貸金業法の二の舞にならないように政府、業界団体、消費者団体が徹底的に意見を出し合い解決策を探るべきです。
一兆円枠コンペに参加?
自動車メーカーの水面下では部品、輸送に関わる関連企業が今か今かと注文を待っています。繰り返しになりますが、中小企業の発展を本気で考えるのなら、エコポイント制度期限延長への議論をはじめてもらいたいものです。
そういえばコンペ形式で予算配分される菅政権の一兆円特別枠。8月1日現在まだ決まっていないようです。私も中小企業一員として参加させていただきたいものですね。政府より本気で中小企業を救おうと思っているのですから・・・。
[2010.8.2]
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