奪われる世界市場、経済大国・技術立国への本当のこだわり
韓国にシェアを奪われたテレビ市場
ほんの数年前、日本は「技術立国」「経済大国」とよく言われ、メイド インジャパン製品は精密で壊れない便利なモノをつくり出すと世界から 絶賛されていました。ところがいつの間にかそんな言葉が聞かれなくな りサブプライム問題、リーマンショックが決定的となり今日の厳しい経 済状況に追い込まれました。
日本の技術の誇りであったテレビでさえも韓国のサムスンがソニーを抜 いてNo.1となり世界のシェアを奪いました。
ソニーが世界の No.1を目指さなくなったわけだとは思いませんが、サムスン はシェア獲得のため日本の家電メーカーの技術者をヘッドハンティング するなどしシェア獲得への想いがソニーより強かったのでしょう。今の世の中を見ても、諦めムードが一杯で日本がNo.1を目指 すことが少なったように見えます。
W杯、「ベスト4目指す」発言
6月に行われたサッカーW杯は日本の思わぬ強さに感動しました。前大 会予選リーグ敗退(ベスト32)の背景から岡田監督は大会前に「ベス ト4を目指す」と発言していました。世界のレベルから見ても目標が高 いのでは、との声もありましたが逆に、もし岡田監督が「優勝を狙って いる」と発言していたらどうなったでしょうか。
結果は同じベスト16 だったかもしれませんが、そこにまた一つでも上を狙う、「No.1になって世界を驚かせる」という日本代表の意思がより強 くもてたような気がします。大会で活躍した本田選手が岡田監督の「ベ スト4」より「その上を目指します」と発言したことが印象に残ります。
いき過ぎの事業仕訳、次世代新技術開発予算を削減?
同じ6月、小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰ってきまし た。探査機の軌道や動作を修正する運用責任者の森本睦子さんは24日、母校で講演し「帰還は、人はここまでできるんだという希望を私に与えてくれた」、そして「はやぶさが切り開いた新しい技術を、次の世代につな げたい」と話していました。世界No.1、日本の技術の結晶だ と言えます。しかし、次世代に受け継ぐための開発費予算が先の事業仕訳で縮小されたのが皮肉に思えます。
苦しい時にコストを削減するのは生き残る為の大切な指針。しかし売上を上げる為、新しい技術向上の為の予算削減はその事業を拡大、発展さ せるどころか縮小、消滅さしてしまう事にもなりかねません。いづれ中国やインドなど新興国にいともカンタンに追い抜かれてしまうでしょう。
金融支援で続々産業振興策が
日本銀行が新貸出制度に次ぐ新しい金融施策を打ち出そうとしています。
21日、日本銀行山口副総裁は「市場参加者の間で成長基盤強化に関する融資や投資の証券化といった仕組みが検討される場合には、市場整備に積極的に協力していきたい」との考えを示し、証券化商品については「日銀の(通常の資金供給に使う)担保として受け入れるといった方法も前向きに考えたい」と報道されました。
金融円滑化法から日銀主導へ
政府のモラトリアム法 (中小企業金融円滑化法)に次ぐ策を日本銀行が主導ともとられる報道でした。26日には、中小企業庁でも世界に通用するブランド力の確立を目指す取組みに要する経費の一部を補助する補助金制度を発表しています。
モラトリアム法で返済条件を変更、返済猶予中に新企画を立ち上げ売上の向上、新技術のための資金調達。そして、国内、新興国の新市場へ参入、拡販を一企業だけではなく関連団体や政府が後押しをすることも、新しい事業再生の形でしょう。
[2010.7.27]
参考:7月20日「日銀3兆円確保!成長基盤強化制度に対応のファンド創設が活発 」参照
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