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総合特区法成立:病院・ホテル・特養ホーム新規参入に規制緩和/空洞化の工業用地を再利用

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政府施策、「新成長戦略"元気な日本"復活のシナリオ」見えてきた戦略効果
政府は平成22年6月18日、長引く景気低迷、少子高齢化から高い経済成長が厳しいとの判断から「元気が出る日本を復活させる」ための「新成長戦略"元気な日本"復活のシナリオ」を閣議決定しました。新たな需要と雇用の創造を目指す新成長戦略は、世界レベルにある日本の技術を生かす「環境・エネルギー大国戦略」。アジアを中心に海外市場をも視野に入れた医療・介護による「健康大国戦略」。日本を中心にアジアの架け橋となる「アジア経済戦略」。地域活性化の切り札となる「観光立国・地域活性化戦略」の4つを成長分野に掲げ、これらの成長を支える「化学・技術・情報通信」、「雇用・人材」、「金融」に関する戦略を実施、日本復活を図るものです。
政府は、昨年、この新成長戦新成長戦略"元気な日本"復活のシナリオ略のもと、中国のビザ発給緩和や空の自由化・オープンスカイ、羽田国際化・24時間体制へ規制を緩和。さらには、海外展開を進める企業を支援し、ベトナムなど原子力発電所建設やレアアース開発のパートナーに選定されるなど、効果は目に見えるようになってきています。
 
新成長戦略実現2011/総合特区:最先端技術、観光の街誕生、国際競争力
政府が今年1月25日に閣議決定した「新成長戦略実現2011」によると、各々の戦略の強化や実行案などが公表されたなかに「総合特区の創設」が記されています。2月9日の報道によると、総合特区の創設に関連した「総合特区法案」の全容が明らかになったと報じました。総合特区は、国際競争力を強化するための「国際戦略総合特区」と、観光や地域の資源を生かした「地域活性化総合特区」があり、総合特区参入企業、団体などには、複数の規制緩和や税制優遇策が取り入れられるようです。

「総合特区」7月に第1弾、成田、泉佐野、熊野古道、和歌山県が候補
総合特区とされる地域では、最先端の環境・エネルギー技術が取り入れられ、病院や老人ホーム、ホテルなど新成長戦略に掲げられた施設を招致。総合特区法案は、これら企業、団体などの参入に障壁となる規制を緩和して、稼働していない工業地域を利用し、地域を活性化させるというものです。政府は同法案を2月15日に閣議決定し、早ければ今国会で成立させ、7月には総合特区の第一弾を指定させたいとしています。規制緩和では、訪日外国人が見込まれる国際空港周辺の成田市や、大阪の泉佐野市。世界遺産の熊野古道がある和歌山県なども提案していると報じています。

読者必見!/各省庁から10項目の特例措置
総合特区法案に盛り込まれる具体的な10項目の特例措置は各管轄省庁で取り決められ、同時に公表されるなど珍しく横の連携がスムーズなようです。国土交通省では、「工業地域での施設建築基準」、「地域内での用途制限」、「小水力発電許可手続きの簡略化」。経済産業省では、「立地に関する緑地面積」、「工業団地造成の窓口」。財務省は、「補助金残金の転用化」、「特定酒類の少量生産」。厚生労働省は「特別擁護老人ホームの設置」など、規制緩和が盛り込まれるようです。10項目以外の規制緩和に関しては自治体や関連省庁、企業などによる協議会で必要性を詰め、規定を盛り込むとしています。
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税制面では、国際戦略総合特区では機械設備や建物の取得価格と、事業に関わる所得の一部を控除。地域活性化総合特区では、交通網整備など社会的活動を行う企業への個人の出資額の一部が控除とあります。総合特区が一つの街となって国内外から観光客、ビジネス客、医療ツーリズムなどの人々によって活況が期待されます。今国会では、与野党の対立となる法案ではないだけに同法案を成立させ、総合特区指定にこぎつけたいところです。

450件のアイデアの8割が地域活性
総合特区法案の10項目は、具体的な組入れ設計を行うために、平成22年7月20日から9月21日まで募集した企業や公共団体278の組織から、計450件の提案(アイデア)により考証し選定されています。このうち「地域活性化」に関わる提案は構成比79.6%の358件で、支援措置についての提案では「規制の特例」が2,004件とトップ。2位の「税制支援」の1,085件の約2倍と圧倒でした。地域の活性化のために規制を緩和して欲しいという企業、民間・公共団体の願いです。

EPAからTPPへ環境整備
昨年のオープンスカイ・羽田空港の国際化、24時間体制、発着枠拡大で旅客も貨物も3ケ月で増加しています。EPA(経済連携協定)やTPP(環太平洋経済連携協定)の締結、合意でさらに「ヒト、モノ、カネ」がアジアを中心に流れ始めます。訪日外国人は増加し、全国の観光地へと流れ、地域の活性化を後押しされ雇用の需要拡大が見込めます。総合特区の創設で、拠点形成に国際競争力を向上し、国内に活況が取り戻り「元気が出る日本を復活」に繋げたいものです。

[2011.2.11]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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