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胡錦濤主席:米国で3,7兆円のお買い物/中国:GDP世界2位!次は日本へ

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GDP約6兆ドル、成長率約10%の急成長ぶり
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米ホワイトハウスは、米国と中国の間で3兆7,000億円の対中輸出契約が成立したと発表しました。中国の胡錦濤国家主席の訪米による大型商談で、米ボーイング社の航空機200機や建設機械のキャタピラーなどを米国から購入、消費大国をうかがわせます。中国、国家統計局が1月20日発表した平成22年の名目GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は、前年比16.7%増の5兆8,790億ドルとなり日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位となりました。すざましい経済成長力を見せつけています。ホワイトハウスでは、大型商談の成約で米国内で約235,000人の雇用が支えられると伝えています。
中国国務院直属のシンクタンク・中国社会科学院は1月22日「2011年中国経済予測リポート」を発表。GDP成長率が9.8%、CPI(Consumer Price Index:消費者物価指数)上昇率が3.7%になると伝え、中国の複数メディアが報じていました。同院のレポートによると、食品価格の上昇や、不動産市場の抑制が困難なことなど中国は今年、インフレのリスクが高まると指摘しています。中国の中央銀行、中国人民銀行では、物価安定に注力し、流動性抑制に向けあらゆる金融ツールを用いると伝えています。

映画の舞台、観光で2倍に
日本と中国の関係は、昨年の尖閣諸島での中国漁船衝突事件からあやふやのままの関係を保っています。政府の新成長戦略でもある観光産業でもこの影響が響き、目標とした平成22年訪日外国人1,000万人は事件後、中国からの訪日急増加が鈍化し、861万と及びませんでした。しかし、中国はそれでも前年比約40%増と、今年は期待が持てそうです。
中国訪日観光客の回復を目指し、JNTO(日本政府観光局)は、観光庁と一体となって中国の旅行会社の従業員の企画・販売向上のため「訪日旅行スペシャリスト」育成事業を実施。春節後の販売拡大に2月20日から2回に分け、120名を北海道へ招請します。中国で流通する訪日ツアーは東京から東海にかけ大阪がゴールデンルートとして圧倒的なシェアを保っています。北海道は知名度もありましたが、平成20年、中国で北海道を舞台にした映画「非誠勿擾(邦題:狙った恋の落とし方)」が大ヒット。北海道経済部観光局によると平成20年に47,000人だった中国訪日観光客は、翌21年には約2倍の93,000人となりました。JNTOでは、より一層のPRにツアー商品や旅行スタイルの多様化も視野に入れスペシャリスト育成に努めるとしています。

中国の米消費の1%を日本米に
一方、農業では、中国国有企業の食品・流通大手の中国農業発展集団(中農)の劉身利会長が1月26日に来日。鹿野農林水産相と会談し、28日に生産団体や食品業者向けに中国での日本の農産品の販売計画が説明されたと報じています。従業員80,000人という大企業・中農は、中国の富裕層向け高級食材の販売網を全土に持っており、日本食人気から「日本の農産品人気はこれまで以上高まる」と見ているようです。都市部の高級百貨店には日本の食品が目立つと「日本の米や牛肉などは中国でもイメージが良い。潜在的な消費者も多い」と伝えています。
巨大市場13億人の中国の米の消費量は、日本の約25倍で年間約2億トンとされています。新しい日本食ファンを増やし、高品質、安全、安心なおいしい日本米や農産品の輸出拡大に繋げてもらいたいものです。鹿野農林水産相は、今月3日に行われた「新春を祝う会」で「中国へ米を20万トン輸出を検討」としていましたが、1桁違ったのか200万トンを輸出する心意気で交渉に臨んでもらいたいものです。

世界では減少、アジアだけが増加
自動車産業においても中国の消費意欲は強く現れています。トヨタが1月24日発表した世界販売台数(速報値)によると、中国への販売は前年比19%増の846,000台となっています。北米が同比2%減、欧州が同比11%減のなか中国を含むアジアでは同比24%増の1,896,000台と市場はもはやアジア中心になったようです。1月24日にはキリンホールディングスが中国の飲料大手・華潤創業と提携。清涼飲料市場が年率10%前後の高い成長を続ける中国国内で販売するとしています。
通貨や軍事問題などまだまだ一波乱が起きそうな中国ですが、米国はもとより日本に対しても経済効果を発揮してくれています。世界第2位の経済大国となった中国は、日本にとってもビジネスパートナーとして大切な国となりました。
これからの産業は中国を始めとしたアジア諸国と移り変わります。日本の製品は品質がよく、イメージの良いとされ、受け入れ態勢は整っています。中小企業は政府や関係団体などの支援のもと、新しい市場へ踏み出す時でしょう。そして、日本からの招請で訪日旅行スペシャリストが北海道のみならず、日本全国の観光都市を紹介し、より多くの中国訪日観光客に日本を満喫。国内市場に活況を与えてもらいたいものです。日本の中国に対してのODA(政府開発援助)は、平成19年度末までに20年に渡って総額6兆円近くに達しました。日本経済が厳しいなか、次は中国が日本を援助する番です。

[2011.1.29]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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