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トヨタが過去最高の営業利益、激変する自動車産業で中小企業は生き残れるのか

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大手自動車メーカーは業績好調、しかし先行きは不透明
5月13日、大手自動車メーカーの2022年3月期決算が出揃いました。トヨタ自動車が国内企業では過去最高の2兆9,956億円の営業利益を出すなど、7社のうち6社が増益または黒字転換となりました。主な海外市場で販売を伸ばしたこと、円安が追い風となったことなどが業績を押し上げたと思われます。

一方、不安材料は山積みです。原油や原材料の価格高騰による製造・物流コストの上昇、長期化する半導体不足、新型コロナウイルス感染による中国のロックダウン、ロシア・ウクライナ情勢など、先行きが読めない要因が重なっています。

生産台数の減少の影響が広い範囲に及びつつある
日本自動車工業会の「日本の自動車工業2021」によると、自動車関連の業種で働く人は、実に日本の全就業人口(6,664万人)の8.2%(549万人)を占めています。広大な裾野を持つ自動車産業の動向は日本の経済全体に大きな影響を及ぼします。

現在、さまざまな分野で深刻なダメージを与えているのが完成車の減産です。2021年の自動車の国内生産台数は前年比2.7%減の784万6,958台となりました(日本自動車工業会調べ)。これは1976年以来45年ぶりの低水準です。

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3年連続で国内生産台数が減少したことになりますが、半導体不足や部品調達難が解消されなければ、今年もこのまま生産が正常化しないという可能性があります。

内閣府が5月12日に発表した4月の「景気ウオッチャー調査」に寄せられたコメントにも現場の苦悩がにじみます。
「部品が計画どおりに入ってこないため、納品遅れが生じている」(乗用車販売店)
「新車の納期がかなり延びてきており、新車の購入を諦める人が増えてきている」(乗用車販売店)
「自動車生産ラインの停止が頻発している。生産ライン停止の情報は直前に出るため、サプライチェーンに多大な悪影響が出ている」(一般機械器具製造業)

自動車業界のパラダイムシフトに中小企業は対応できるのか?
いま、EV(電気自動車)へのシフトや自動運転システムの開発など、自動車業界では劇的な変化が起きています。自動車関連の中小企業も生き残りをかけて歴史的な技術革新に対応すべきなのは言うまでもありません。

けれども、例えば自動車部品を製造するメーカーは、1970年前後のモータリゼーションの時期に創業した老舗企業が多く、約7割が売上高5億円未満の小規模企業です。東京商工リサーチの調査によると、自動車部品メーカーの2021年の業績は、売上高合計が前期を2兆5,000億円も下回りました。コロナ禍ですでに余力のなくなった中小企業にとって、経営環境の変化に対応すべく設備や研究開発に投資をしたり、必要な技術者を雇用・育成したりするのは荷が重いでしょう。

それでも完成車メーカーの下請けに連なる部品メーカーや関連企業は、大きな変化に対応すべく自らを変えていかなければならないでしょう。新しい設備や工場のイノベーションにはそれなりの費用がかかるものです。近い将来を見据え、事業再構築助成金などを有効活用するのも生き残る手段です。


[2022.5.18]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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