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日銀短観、大企業製造業でマイナス27と中小企業も景況感悪化に歯止めか?

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2年9ケ月ぶりに製造業が改善
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日銀は10月1日、9月の短観(全国企業短期経済観測調査)を発表し、大企業製造業の景況感を示す業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)がマイナス27と6月の前回調査から7ポイント改善したことが判明しました。
改善は、平成29年12月以来2年9ケ月ぶりとなり、新型コロナウィルスで停滞していた経済活動が再開に向かい、大企業非製造業の景況感も同5ポイント改善されマイナス12と1年3ケ月ぶりに上昇しました。
10月1日からは、「Go To トラベル」に東京都も加わり、さらなる景気押し上げが期待されます。

日銀短観とは
短観は、日銀が行う統計調査であり、全国の企業動向を把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的に行っており、全国の約1万社を対象に四半期ごとに実施されています。
業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業から「悪い」の割合を差し引いた値であり、大企業製造業では、平成30年以降、米中貿易戦争にも巻き込まれ悪化傾向をたどり、今年に入り新型コロナウィルスの感染拡大により一段と落ち込んでいました。

中堅・中小企業でも僅かながら改善
一方、中堅企業や中小企業でも改善は見られ、中堅企業製造業は2ポイント改善しマイナス34、非製造業は4ポイント改善しマイナス23となり、中小企業でも製造業が1ポイント改善のマイナス45、非製造業は4ポイント改善のマイナス22とそれぞれ僅かながらでも上昇しています。
企業の景況感は、全般的に持ち直していると考えられますが、水準は依然低い状況であり、大企業製造業ではリーマン・ショック後の低迷期にあたる平成21年12月のマイナス24とほぼ同水準で、大企業非製造業でも平成22年3月のマイナス14並の低水準となっています。

先行きDIもマイナス圏
先行きの回復ペースも緩慢になりそうで、3ケ月先の見通しを示すDIは、大企業製造業でマイナス17と10ポイント改善するものの、マイナス圏を抜け出せない状況です。
非製造業でも1ポイント改善しマイナス11ポイントと製造業以上に戻りは鈍く、特に小売業ではゼロと18ポイント悪化し、宿泊、飲食サービス業でもマイナス81と極めて低い水準に留まります。
これに伴い中小企業でも同様に悪化が見込まれ、菅政権の「Go To キャンペーン」がどの程度の経済効果を生むかが注視されます。


[2020.10.6]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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