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中小企業の資金繰りを支援!約束手形に期限60日以内に短縮

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約束手形の現金化、最長は120日
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国は下請け企業への支払いに使用されている約束手形の決済期限を60日以内に短縮する方針を示しました。
現状では、約束手形は最長で120日まで設定可能で、中小企業が納入した商品など代金を受け取るで時間がかかることがあり、その長年の習慣を改革し、中小企業の資金繰りを支援する狙いです。
中小企業にとっては、商品などを受注したものの、支払いまでの期間で資金繰りが悪化し、黒字倒産する企業も多く見られました。

建設業界では納入後、180日支払いも
経済産業省と公正取引委員会では下請法の実質的な運用ルールとなっている通達を年内に改正し見直す方針で、繊維産業で90日以内、自動車・機械で120日以内と定められた決済期限を短縮し、一律で60日以内と明記することを決定しました。
特に建設業界などでは、180日後に決済など下請け企業は入金を待たなくてはならず、黒字倒産に陥る企業も多く見られます。
ただ、今回の改正で期限が短くなると納入側はより早く手形を金融機関で現金化でき、資金繰りが改善する一方、発注側は支払い期限の短縮で資金繰りに大きな影響をもたらすことになります。
改正により、通達の正式な適用まで3年程度の猶予期間を設け、下請法に違反すれば勧告や社名公表の対象とないます。

手形決済、100兆円から29兆円に縮小
財務省の法人企業統計によると、手形の支払残高は平成12年をピークに100兆円規模でしたが、平成30年には29兆円と縮小し、経済産業省の調査では代金の支払いを全て現金払いとした企業は全体の約5割に達しました。
今回の改正案では、金融機関で手形を現金化する際の手数料を現則、発注側の負担とすることも明記されましたが、手数料の負担を受取り側の企業に押し付けるケースを問題視する声も聞かれました。

支払い期限は大企業次第?
経済産業省中小企業庁によると、繊維や産業機械の業種では期限を超える取引が目立つとしており、期限は大企業などが決定し、立場の弱い下請けとなる中小企業などでは黙認するケースも目立っているとしています。
全国銀行協会によると紙の約束手形に変わる決済手段として電子記録債権を促しており、新型コロナウィルスの感染により押印などの商習慣を見直しており、国は約束手形について金融機関での振込や電子債権への完全移行を見据えています。
約束手形の決裁短縮により、中小企業など資金繰りを支援する政策など、今後も打ち出されることが期待されます。


[2020.9.18]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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