銀行と証券会社の壁を証明したテレビドラマ「半沢直樹」!ファイアーウォールは撤廃か
異例の視聴率22%、その理由は
7月19日よりTBS系のテレビドラマ「半沢直樹」の続編がスタートし、動画はYouTubeなど「見たい時に好きな動画を見る」が常識的なった時代に地上波では異例の視聴率22%をあげました。
何故、この時代に地上波ドラマが高視聴率を得たのかは、銀行と証券会社の間で起きる防火壁とも言えるファイアーウォール規制の撤廃に関する動向であり、ノンフィクションのドラマながらのストーリーであっても私たち個人や企業にとっても影響しかねない問題が起こっています。
海外金融機関との情報共有は承認、それが国内でも
これは、自民党が今年6月に公表した「ポストコロナの経済社会に向けた成長戦略」の中で、これまで海外の金融機関との競合を考慮し、海外業務での規制緩和が検討されるという銀行・証券会社の了解でしたが、国内業務でも「検討する」との文言が加わったためです。
これまで銀行や証券会社がグループ会社同士であっても、顧客の同意なしに顧客情報を共有することはできないことになっていますが、ドラマ「半沢直樹」では、証券会社が得た案件の情報が親銀行に漏れてしまい、その真相を突き止める銀行から出向した行員「半沢直樹」を描いています。
顧客にとっては、銀行・証券会社の情報共有が利便性あり
銀行は顧客が企業買収のため資金調達を検討する場合、借入先は銀行であり、株式や債券の発行など銀行と証券会社の両分野に跨るなど複数の方法があります。
この場合、銀行はグループ企業の証券会社と連携して総合的な提案ができるため、顧客にとっては優位となりますが、銀行系列でない独立系の証券会社にとっては、単独で資金調達するなど時間や手間もかかり競争力に劣る可能性も低くありません。
銀行と証券会社の境界争いは昔から存在しており、この「半沢直樹」ドラマで久しぶりに表舞台に上がってきました。
顧客の情報、銀行・証券会社が共有すれば危機も
銀行は、資金の流れを通じ、顧客の詳細な情報を持つ強力な機関であり、この銀行を利用する個人や企業にとっては情報が証券会社や投資信託銀行など共有されれば危険とも言えるでしょう。
自民党のファイアーウォール規制撤廃案は、成長戦略との意味でもあり、銀行が持つ顧客情報をグループ企業と共有し収益を得るようなことになれば、顧客にとっては好ましいことではなく、今後の行方に注視が必要です。
●関連記事:「第三者へ個人情報を提供「情報銀行」、GAFA・リクナビに対抗し経産省・総務省が指針公表」[2019.10.18配信]
[2020.7.28]
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