金融庁、金融機関におけるリスケジュール復活の状況について発表!すでに15万件が申請
中小企業や住宅ローンのリスケジュールが急増
金融庁は6月26日、金融機関におけるリスケジュール(条件変更)の取り組み状況について発表し、中小企業や住宅ローンのリスケジュール申請数は約15万件になったことが明らかになりました。
金融庁は3月6日に、新型コロナウィルス感染拡大に伴う中小企業の資金繰りや住宅ローン返済支援を行うため、麻生金融相が「既往債務の元本・金利を含めたリスケジュールについて迅速かつ柔軟に対応すること」と公表しました。
この対応により、平成25年3月に終了した中小企業金融円滑化法のリスケジュールが事実上復活したことになりました。
リスケジュールの申請金融機関、地銀が圧倒
金融庁によると、3月10日から5月末日までの中小企業によるリスケジュール申請件数は、115,697件で99.8%が承認されています。
詳細では、3メガバンクにりそな銀行、新生銀行、あおぞら銀行など主要行で17,845件ですが、地銀が97,501件、信金や信組では24,275件と急増しています。
一方、住宅ローンのリスケジュール申請件数は、主要行が3,041件に対し、地銀が10,082件と地方経済の悪化が懸念されます。
各地銀でも中小企業支援に重点
リスケジュール申請件数の約8割は地銀に寄せられ、地銀でも融資先の支援を急いでおり、山口銀行は販売が急減した事業者に別の事業者を引き合わせ、販路の拡大につなげています。
また、京都銀行は、地域内の他の金融機関や自治体と連携し、人員の相互派遣で窓口の混雑を緩和しています。
安倍政権は、地銀へ公的資金を投入しやすくする改正金融機能強化法を6月12日に可決、成立させ、申請期限も令和7年3月末まで4年延長しました。
企業全体の99.7%が中小企業
中小企業や小規模事業者は、国内企業数全体の99.7%を占め、全従業員の3人に2人以上は中小企業で働いているのが現状で、国は様々な資金繰り支援策を相次いで創設しています。
ただ、メディアでは、「もう限界を超えた」と事業者の声を取り上げ、解雇や破綻などの報道が多く目につきます。
リスケジュール他、雇用調整助成金など国が認めた制度を知らぬ経営者も多く、面倒な書類手続きや申請法など、専門家の意見を聞くことも復活への第一歩となります。
●関連記事:「住宅ローン滞納相談が急増!ウィルス感染拡大が影響大でリスケジュールが実質復活」[2020.5.8配信]
[2020.6.30]
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