日銀「さくらリポート」9地域全て景況判断を下方修正!望みは設備投資
日銀景況判断、リーマン・ショック移行11年ぶりの全地域下方修正
日銀は4月9日、今年4月のさくらリポート(地域経済報告)を発表し、全国9地域全てで景況判断を下方修正し、全地域での引き下げはリーマン・ショック後の平成21年1月以来約11年ぶりとなりました。
国内外へのが外出自粛要請などにより、消費ニーズが落ち込み個人消費や企業の生産活動に落ち込みが大きく影響しています。
日銀は、同日開いた四半期に1度の支店長会議で黒田総裁が「日本経済に深刻な影響を及ぼし、先行きは不確実性が極めて高い」とのコメントを発しました。
飲食業では東日本大震災以来、売上過去最低に
さくらリポートは、前回調査の今年1月では景況判断を引き下げたのは3地域でしたが、この3ケ月で急激に状況が悪化し、「拡大」および「回復」が消え、「弱い動き」や「下押し圧力が強い」との表現に変わりました。
日銀の本支店の企業への資金繰りでも項目別に「職場での懇親会、家族客の外食が落ち込み、売上が5割以上の店舗もある」とし、東日本大震災勅語の落ち込みを超える大幅な悪化との意見も各支店から意見が出ています。
さらに訪日外国人客数の激減で宿泊業では、キャンセルが相次ぎ稼働率や客室単価が大幅に低下し、今年上期の売上見込みは過去最低と報告覚ました。
製造業では部品1つ入らず未完成に
業種別では、製造業でも生産判断は近畿や中国地方などで5地域が引き下げられ、サプライチェーン(供給網)の寸断で幅広い業種で部品調達が困難となり、多くのメーカーで工場停止など生産調整が拡大しています。
電気機械製造業においても、中国などの工場で生産が停止し、車載向けの電子部品の減産を余儀なくされ、先行きについても世界的な自動車にーズの落ち込み懸念から危機感が強いとの指摘も多く出ています。
次世代通信規格である「5G」への設備投資は継続
一方、設備投資の判断引き下げは2地域に留まり、先行き不透明感から設備投資を縮小との声が上がるものの、次世代通信規格である「5G」や自動車の電装化などに設備投資を継続するとの声も上がっています。
安倍政権は、4月9日に7都府県に対し緊急事態宣言を発出しましたが、日銀では1ケ月以内で終息するかは不明との意見です。
日銀は、4月27日〜28日に金融政策会合を開く予定で、前回の会合では企業の資金繰り支援策を打ち出しましたが、次回会合ではさらなる企業への支援拡充も検討課題になると予測されます。
●関連記事:「日銀短観、大企業製造業が7年ぶりのマイナス!非製造業も大きく下落」[2020.4.7配信]
[2020.4.21]
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