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中小企業の資金繰り悪化が鮮明に!宿泊・飲食業で中小全体雇用の2割を守るため雇用調整助成金を活用

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緊急事態宣言に外出自粛要請と、宿泊・飲食業は困惑
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新型コロナウィルスの感染拡大により、経済活動は縮小し、さらに「緊急事態宣言」が発出され、中小企業の経営状況は、ますます厳しさが増しています。
特に苦境が目立っているのは、訪日外国人客数の急減や、国や自治体などによる外出自粛要請が直撃している宿泊・飲食業などの娯楽産業です。
これら娯楽産業は、中小企業全体の雇用の2割弱を占めており、迅速な支援策を講じなければ廃業や失業など急増する可能性も少なくありません。

消費者心理、先行きも低迷?
内閣府が4月6日に発表した今年3月の消費者動向調査によると、先行き6ケ月間の消費者心理を示す消費者態度DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、2人以上世帯で前年同月から7.4ポイント下落し30.9となりました。
リーマン・ショックの影響が大きかった平成21年3月の29.4以来、11年ぶりの低さとなり、下落幅は、平成23年の東日本大震災時の5.4を超え、月次調査を開始した平成16年4月以降、最も大きくなりました。
「暮らし向き」や「収入の増え方」、「耐久消費財の買い時判断」ともに大幅に落ち込みました。

全産業の中でも売上低迷で手元資金少ない宿泊・飲食業には厳しい状況
一方、財務省の平成30年度の法人企業統計調査によると、資本金5,000万円未満の金融・保険業を除く全産業の平均は、売上高の23%弱の現預金や有価証券など「手元流動性」を抱えており、宿泊業は19%弱、飲食サービス業は12%弱に留まります。
現預金の額でも、全産業の月平均2.7ケ月に対し、宿泊・娯楽業は2.5ケ月分、飲食サービス業は1.4ケ月分と全国平均の約半分と、売上げの低迷が長引く状況に耐えられず、厳しい状況が続くと予測できます。

人件費削減の前に雇用調整助成金を申請
このような状況に中小企業経営者は、事業継続のため、コストのかかる人件費を削減することを考えるのが一般的ですが、中小企業の労働者の2割が失業となれば、より日本経済は停滞することになります。
そこで厚生労働省では、4月1日より雇用調整助成金の特例措置を拡大し、これまで売上が3ケ月で10%以上低下から5%低下に緩和し、助成率も8割でしたが、1人も解雇していない場合には9割に助成率が上がるなど拡充しました。
ただ、中小企業経営者にとっては、これまでの融資申請や取引先との契約書などと異なり、未知の申請とも言え、認識は有るものの実行していない企業も少なくなく、早めの専門家へのご相談をお薦めします。


[2020.4.14]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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