日銀短観、大企業製造業が7年ぶりのマイナス!非製造業も大きく下落

大企業製造業、前回調査から8ポイントマイナス

日銀が4月1日に発表した今年3月の短観(全国企業短期経済観測調査)によると、企業の景況感を示す業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が大企業の製造業でマイナス8となり、前回調査の昨年12月調査のゼロから8ポイント悪化しました。
悪化となるのは5四半期連続でDIがマイナスに落ち込むのは、平成25年3月調査のマイナス8以来7年ぶりとなります。
新型コロナウィルスの感染拡大により、世界的に経済活動が停滞しており、特に中国景気の落ち込みは日本の自動車や繊維産業、生産用機械製造の悪化が目立っています。
3ケ月先の予測でもさらに悪化の予測
日銀では、3ケ月先の業況判断DIでも大企業の製造業はマイナス11と一段と悪化することを予測していますが、市場予想の中央値であるマイナス14は下回りました。
新型コロナウィルスの感染拡大に収束の見通しはつかず、経済の先行きに対する企業の不況感が広まっており、今後の従業員の雇用維持や賃金などが懸念されます。
無休休暇や新卒の内定取り消しなどメディアでは報じられており、安倍政権による第4、第5の緊急経済対策が急がれます。
非製造業でも3四半期連続で悪化
一方、大企業の非製造業の業況判断DIはプラス8とプラスを維持しましたが前回調査から12下回りまわり、DI悪化は3四半期連続となりました。
新型コロナウィルスによる消費・観光ニーズが大幅に落ち込み、日本政府観光局が3月19日に発表した2月の訪日外国人客数は、前年同月から58.3%減少し、108万5,100人で、過去2番目の大きな減少幅となりました。
特に感染源となった中国からは同87.9%減の9万7,200人と、アジア圏だけでなく欧米やオーストラリアからの訪日も20%以上減少しています。
自動車や電機業界でも工場操業の停止
「ものづくり日本」の代表格でもある自動車産業では、すでにトヨタ自動車やマツダが海外市場のニーズ急減で国内工場の操業を停止し、日産自動車や三菱自動車、ホンダ、スズキも国内工場の操業を停止する方針です。
一方、電機産業では、ソニーが中国の上海市と江蘇省無錫市、広東省恵州市の工場を閉鎖しましたが、部品の製造など徐々に回復を見せていますが、欧州でウィルス感染が急増する英国のウェールズ工場は操業を停止しています。
次回の日銀短観は、6月に発表されますが、全世界で様々な自粛が要請される中、一段と厳しい景気判断が予測されます。
●関連記事:「日銀短観「大企業製造業の業況判断」4四半期連続で悪化!米中貿易戦争合意で解決?」[2019.12.20配信]
[2020.4.7]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 日銀短観、大企業製造業が7年ぶりのマイナス!非製造業も大きく下落
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/3496
コメントする