改正民法4月に施行!「極度額」決定の鍵は?
改正後は「賃金等債務」だけでなくその他の取引にも該当
今年4月1日より改正民法が施行され、賃貸借契約による連帯保証人に該当する「根保証契約」と「極度額(限度額)」が改正されます。
民法改正前は、賃金や手形の割引などといった「賃金等債務」のみを対象に、「極度額」の規定していたのに対し、民法改正後は賃金等だけでなく、その他の取引きについても「極度額」の定めを求めています。
賃金などによる個人保証人の保護は、平成16年の民法改正で導入されましたが、今回の民法改正で賃金等以外の取引における個人保証人も保護されます。
借入限度額は「極度額」設定内
「極度額」は、「借入極度額」や「契約極度額」とも記載され、契約上の利用限度額で、この限度額は「極度額」の範囲内で設定されています。
これは、カードローンなど資金ニーズのある利用者がカード会社に返済可能なら、カード会社は多くの利息収入を得るために多くの融資を希望しますが、最初から「極度額」いっぱいを融資すると実績がない利用者に対して高いリスクとなります。
保証人としても、自信が負う負担額が分かっていれば保証の際に合理的な判断が出来ます。
改正後、「極度額」定めない場合は効力なし
民法改正では、賃金等根保証契約は「極度額」を定めなければその効力は生じないと定めており、「極度額」を定めない場合は、連帯保証契約の効力は生まれません。
よって4月1日の民法改正以降は、賃貸借契約の賃借人にかかる保証規約をする場合には、「極度額」の定めをしなければ保証契約は無効となります。
賃貸人は保証会社に頼る割合が多くなる予測
現在でも、保証会社による保証を利用している賃貸人は多くいますが、民法改正が施行されると個人保証人の保護が強化される一方、賃貸人の保護は後退するため、保証会社による保証契約の割合が多くなると予測されます。
保証会社の場合は、保証契約による「極度額」の定めは必要はないものの、「極度額」の定めを求める保証会社もあると見られます。
なお、保証会社は賃借人の不払い賃料などは保証するものの、賃借人の身上監護を引き受けてくれることはないので注意が必要です。
●関連記事:「第三者個人保証の排除、円滑な資金供給の障害/明治以前から引きづる民法改正!」[2013.2.21配信]
[2020.3.6]
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