働き方改革で労働時間が減少!サラリーマンの名目賃金6年ぶりに減少
時間外労働を減らす大企業が続出、代わりは賃金低いパート
厚生労働省が2月7日に発表した毎月勤労統計によると、令和元年の現金給与総額(名目賃金)は、全国平均で32万2,689円と前年から0.3%減少し、6年ぶりに前年を下回りました。
安倍政権による働き方改革により、時間外労働を減らす大企業が増加し、人手不足などによりパートタイム労働者の比率が増加したことが背景にあります。
名目賃金は、物価水準の変動を加味せず、紙幣賃金そのものであり、名目賃金が変動しなくとも物価が変動することでその賃金で生活できる水準は変化します。
残業や休日出勤などは減少し3年ぶりに前年割れ
平成31年4月には、働き方改革により大企業を中心に残業時間の上限制限が適用され、翌5月には改元に伴い10連休と労働時間平均は前年から2.2%減少し139.1時間となりました。
残業や休日出勤など所定外の給与は同0.8%減り、1万9,740円で平成28年以来3年ぶりに前年を下回っています。
一方、正社員に比べ賃金が低いパートタイムなどの比率は前年から0.65%増え、31.53%と大幅に増加したことも名目賃金のマイナスに大きく影響しています。
厚生労働省によると、昨年夏の賞与が前年より減少した企業が多く見られたとコメントしています。
4月からは中小企業も働き方改革の適用対象に
今年4月からは大企業に続き中小企業にも残業時間の上限制限が適用されることから、厚生労働省と経済産業省では2月6日に混乱が生じないように合同チームを発足し、初会合を開いて制度の周知を強化する方針を確認しました。
両省では、働き方改革の成功例をまとめた資料を商工会議所などに配布し、専門家を企業へ派遣するなど中小企業の不安の解消を目指しており、支援や助成金などの充実も検討しています。
厚生労働省では、両省が十分連携し、しっかり対応するとの方針を示しています。
米中貿易や新型コロナウィルスの影響で製造業は危機に
名目賃金が前年より減少した業種を見ると、全16業種中6業種で減少しており、「教育・学習支援事業」が2.7%減と最も多く減り、「複合サービス事業」が1.8%減、「情報通信業」が1.4&減と続きました。
所定外労度時間では、製造業が米中貿易戦争や新型コロナウィルス拡大の影響で減産調整などが行われ8.6%減少し、全体での平均1.9%を大幅に上回るなど、4月からの中小企業への適用が、どのように経済に影響されるかが注視されます。
●関連記事:「中小賃上げ企業の割合2年連続で上昇!大企業と中小・非正規社員の賃金格差解消なるか」[2019.3.8配信]
[2020.2.11]
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