貯蓄が「ゼロ世帯」23%の危うさ!令和の時代に払拭なるか
家計の貯蓄、「非正規雇用」「現役世代は厳しい」
消費者金融大手のSMBCコンシューマーファイナンスによると、将来の出費に備える預貯金などを持たない30代、40代の「預貯金ゼロ」世帯が23%と報じ、国民に反響を与えました。
この報道を受け、SNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)では、「非正規雇用ではギリギリ」や「格差が広がった」、「現役世代は厳しい」との声が多数上がりました。
リスクに脆弱な家計が若い世代に広がっていることが明確になりました。
貯蓄ゼロ、昭和の3%から30%超えに
日銀の金融広報中央委員会では、昭和38年より「家計の金融行動に関する世論調査」を行なっており、二人以上世帯の金融資産を「保有していない」と答えた世帯は昭和62年の3.3%から平成29年には31.2%に上り、平成30年間での上昇傾向が鮮明となりました。
この結果は、SMBCコンシューマーファイナンスの調査とも重なっています。
貯蓄ゼロ世帯の世帯主を年代別に見ると、20代の35.6%から70歳以上の31.2%まですべてが3割近くを占め、貯蓄ゼロ世帯の増加は世代を超えた共通課題にもなっています。
グローバル化、ロボット、IT化で賃金増えず
貯蓄ゼロ世帯の増加は、グローバル化やロボット、IT(Information Technology:情報技術)などが急速に進み、賃金が抑えられたことにあるでしょう。
貯蓄のある世帯では、収入からどれほど貯蓄に回したかの推移を見ると昭和62年の20.2%から平成29年は29.2%に上昇しており、所得格差も浮き彫りになりました。
他に増加は10%未満の2区分のみとなり、10%以上では全てで割合が減少し、貯蓄世帯でも余裕がなくなっていることが伺えます。
住宅ローン負債額、平均1,690万円で貯蓄可能か
安倍政権は、住宅ローン減税など持ち家取得を促進しており、低金利で金融機関での融資競争が過激していることからも、30代など若い世代が住宅ローンを組む人も増加しています。
住宅ローン世帯のローン負債額は、平成29年で平均1,690万円と、子育てなど考えれば貯蓄に回す余裕もなくなってきているのが現状です。
貯蓄ゼロ世帯において、失業や病気など収入が減少すれば生活困窮となる平成30年の時代に、令和は、財政や社会保障など国民の不安を払拭できるかが課題となります。
●関連記事:「少子高齢現実化に世帯貯蓄は1千万円!?老後生活に支障懸念」[2018.11.20配信]
[2019.5.7]
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