中小・零細事業者の倒産、リーマン後の推移に逆戻り?高齢経営者の代換えが課題
中小・零細事業者の倒産、リーマンショック時同様に
東京商工リサーチによると、平成30年に負債総額1,000万円未満の企業倒産件数は、前年から6.5%増加し521件と平成20年のリーマンショック直後の推移に戻ったことがを公表しました。
平成21年以降では、22年の537件に次いで2番目に多く、3年連続で前年を上回る結果となりました。
一方、負債額1,000万円以上の企業倒産は8,235件と前年から2.0%増加しましたが、平成21年から30年まで10年連続で前年を下回りました。
負債1,000万円未満の中小、小規模事業者の倒産は、平成27年を底に増加に転じています。
「破産」が9割
企業の「休廃業・解散」では、2年ぶりに前年を上回り、中小・零細事業者と取り巻く経営環境は中堅以上の企業に比べ厳しさが増している状況が明白になっています。
産業別で見ると、創業・設備投資がさほどかからない飲食業などを含む「サービス業」が241件と全体の46.2%お約4割を占めるなど半数を占めました。
形態別では、「破産」が同90.4%を占め、大半で負債1,000万円以上の倒産の「破産」はの構成比は10%上回り中小・小規模事業者ほど事業の立て直しが難しいことが示されました。
「サービス業」の倒産、過半数に
産業別では「サービス業」が全体の46.2%と半数を占め、「小売業」が同15.1%、「建設業」が同12.6%。「製造業」が同5.7%と続き、人手不足と言われる産業が前年から増加しています。
「生活関連サービス業」では、「娯楽業」が前年の32件から38件と増加が目立ち、増加率で見れば「農・林・漁・林業」で前年から200%増加しました。
他にも「金融・保険業」が同33.3%、「情報通信業」が同27.2%増となりました。
事業承継が重要
平成30年の企業倒産件数は、「負債1,000万円以上」が前年から2.0%減少し8,235件で、「負債1,000万円未満」は同6.5%増加し521件でした。
事業の改善・計画が遅れ、後継者難に事業承継が困難な企業は少なくなく、M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)や事業譲渡など不可能であれば「倒産」や「休廃業・解散」に追い込まれることになり、平成26年より増加しているのも実態です。
平成30年の企業経営者の平均年齢は、61.3歳と上昇傾向にあり、生産向上や人手不足など高いハードルへの支援が急務となっています。
●関連記事:「超高齢化社会を迎えなぜ?高齢者福祉事業者の倒産2年連続過去最多!」[2018.4.27配信]
[2019.4.15]
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