戦後最長の景気回復!?なぜ国民に実感ない?
戦後最大の景気回復?
安倍政権は1月29日、1月の月例経済報告で景気の総括判断を「緩やかに回復」と前月から据え置き、平成24年12月から始まった景気回復基調は戦後最大となったと指摘しました。
景気判断を据え置いたのは13ケ月連続で、1月の据え置きによってこれまでの平成14年2月からの最大73ケ月から74ケ月となります。
ただ、茂木経済財政・再生相は、中国経済の減速など、海外経済のリスクには十分注意するべきと述べています。
企業の経常利益はバブル期の2倍に
法人企業統計によると金融保険を除く全規模産業の経常利益は、過去最高水準に達し、バブル期の2倍に近いレベルとなっています。
日銀の短観(企業短期経済観測調査)では、雇用人員の不足はバブル期に近い水準に達し、労働力ニーズも同水準で国内の製品やサービスニーズ判断もバブル期並みとなっています。
ただ、現実には労働力のニーズは引き締まり、企業が収益を上げており、モノが売れても設備が足りていないのが現状です。
景気の実態を表現する経済指標は好調である一方、国民全ての景況感は今ひとつが現実的です。
企業は収益大幅増加に対し、賃上げ・設備投資には消極的
企業にとって景気回復でニーズが増加しても、この先の見通しが立たないという懸念もあり、日銀短観からのレポートがあり、内部保留も豊富であるのに、業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、バブル期には達していません
消費者態度指数からもわかるように、今後の暮らし向きや収入の増え方、将来の老後生活資金など、現在の数値は43.7ポイントであり、バブル期や、リーマンショック前の水準も大幅に下回っています。
大企業の正社員でも国が企業に賃上げを要請する程、企業は賃上げには消極的であり、中小企業にとっては論外とも言える内容です。
日本企業、グローバル製造業PMIでは懸念予備軍に
日本は少子高齢化や人口・生産人口の減少、労働者の人手不足、財政の破綻懸念と先行きが懸念されており、世界経済の「瞬間風速」を計測するグローバル製造業PMI(Purchasing Managers'Index:購買担当者景気指数)に歯止めがかかっていません。
日本は景気回復というものの、製造業PMIは、公表された31ケ国中10ケ国が50.0を割っており、日本に加え、メキシコやタイ、ロシア、ドイツなども50.0割れの予備軍とされています。
製造業PMIが50.0を割れれば金融市場が崩れ、日本でも株式市場が大きく影響を受けるというリスクも警戒しなければなりません。
●関連記事:「景気の見通しは悪化!?日銀調査、先行きは「悪化?」」[2019.1.22配信]
[2019.2.19]
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